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2013年10月19日号(第490号
今週のテーマ:
妖怪の国と神の国
★ 仏教エッセイ ★
言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中。第37回のテーマは「『智の器』としてのお寺の面白さ」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。
 
 取材のため、鳥取と島根を訪ねてまいりました。

 その話をする前に書いておきたいことが一つ。私、中学時代は地理の授業が大嫌いでした。嫌いだから勉強しない、勉強しないからますます嫌いになるの負の連鎖がつづき、特に山陰地方は何がどうなっているのかサッパリわかりませんでしたし、鳥取と島根のどちらが右でどちらが左かもうろ覚えでした。

 いつだったかテストで「鳥取」を「取鳥」と書き(だってどちらも「とっとり」と読めるじゃないですか……(汗))、大きなバツをもらったこともあるぐらいの地理音痴だったのですよ。

 ところが驚いたことに、最近になって、『島根か鳥取か分からないけどそこら辺に行きました』という衝撃的な名前の島根土産(チョコパイ)が売り出されたではありませんか。
 
これがその商品です。見ただけでなんとなく
笑いがこみあげてくる、このセンス!
 それでようやく納得しました。地理音痴は私だけではないのだと。世の中には、こういうとんでもないネーミングの商品が成り立つぐらい山陰の地理がわからない人が多いのだと。

 ちなみにこのチョコパイ、捨て身の自虐ネタと苦虫をつぶしたような顔のキャラが受けて結構なヒット商品となっているそうで、先週たまたま出かけた原宿のキディランドでも、ナント1階の目立つところで販売されていましたよ。

 原宿キディランドの1階に置かれるって、スゴイことじゃないでしょうか。
 これぞ、みずからがマイナーであることを逆手に取った逆転の発想の勝利ですね~。

 なお、同じシリーズに「47番目に有名な島根県へようこそ」とかいうのもありましたが、一連のブラックユーモアのセンスと、ある種の潔さには見習いたいものがあります。

 ……というわけで前置きが長くなりましたが、鳥取&島根両県に行って来ました。
 
まずは東京から米子に直行。ここJR米子駅は別名を「ねずみ男駅」と
いうのだそうです。構内は妖怪のレリーフや顔ハメ、オブジェだらけ。
鬼太郎ワールド(というか水木しげるワールド)にワープした気分♪



この妖怪電車で米子から境港駅に向かいました。驚いたことに、全ての駅には正式名称以外に
妖怪の名前が付いています。例えばコロボックル駅、一旦木綿駅、傘化け駅など。面白すぎ!



境港駅(別名・鬼太郎駅)には妖怪トーテムポールが。背後に停車して
いるタクシーの屋根の上の行燈が「目玉おやじ」であることにもご注目



境港は、町が文字どおりまるまる全部「鬼太郎ワールド」でした……



まずは、道を歩いていた鬼太郎をつかまえてツーショット(おやくそく♪)



町のあちこちで、お馴染の妖怪キャラ(の着ぐるみ)に出逢えます。
「目玉おやじ饅頭」を2つ買って悪ふざけ(注:撮影後に完食しました)



こちらは「サラリーマン山田」というキャラだそうです。妖怪ではなく、たぶん人間……ですよね。
ここに来るまでその存在を知りませんでしたが、同じ名前のよしみで記念撮影(笑)



町中の顔ハメにも挑戦。いちばん下のは素人さんによる手作り作品です。
おっと間違えて出雲大社の顔ハメが混入してしまいました(ごめんなさい)



ちなみにこちらは私が前から集めている七福神コレクション。鬼太郎
ファミリーは、妖怪といってもほとんど神さまのような存在なのかも?
 ……以上が鳥取での出来事。このあとは取材のために島根のあちこちをまわったのですが、長くなるので割愛させていただき、最後に寄った出雲大社のことだけ少し書いておきます。

 出雲大社というところは不思議なことの多い場所のようで、たとえば本殿が南向きに建てられているにもかかわらず、御祭神である大国主命は西向きに鎮座しておられる由。つまり、建物の向きと御祭神の向きがどういうわけか90度ずれているのだそうです。

 また普通の神社では「二礼二拍手一礼」となるところ、出雲では「二礼四拍手一礼」となり、しかも年に一度の大祭が行なわれる日には「二礼八拍手一礼」とのこと。

 ……何ともユニーク。理由が知りたいですね。

正面の鳥居から町側を臨む。この日は大学駅伝開催日に当たっており、沿道は人、人、人でいっぱい!



出雲大社本殿。大国主命が「縁結びの神」とされるためか、カップルに人気がある感じでしたね♪



本殿の西側に置かれた小さな賽銭箱。ここから拝むと大国主命(西向き)と対面することができる由



出雲大社の日の丸は畳75枚分あって「日本一大きな日の丸」だそうです
(出典:出雲大社公式ウェブサイト)。別情報によれば布の重さは49キロ。
高さ47メートルの掲揚塔はPC工法で造ったコンクリート製とのことでした
 出雲大社を訪ねるのは、私にとっては意外にもこれが初めての体験でした。

 日程は私の意志でなく、あくまでも相手の方のご都合で決まったことでしたが、思えば今年は60年に一度の遷宮が行なわれる特別な年。しかも旧暦10月は日本中の神々が出雲に集まって会議を催すといわれる月。だからこそ出雲以外の場所で10月は神無月(かんなづき)、出雲では逆に神在月(かみありつき)と呼ばれるわけですが、そんな絶妙のタイミングで出雲を訪ねることになったのは、よほどのご縁があったからなのでしょう。

 どこかで聞いた話によれば、島根と鳥取の違いをひと言でいうと「神さまが多いのが島根で妖怪が多いのが鳥取」なのですって(笑)。

 神さまも妖怪も、どちらも大事。鳥取も島根もステキなところでした。これからも「どちらが右でどちらが左か」と位置を間違われながら楽しく共存共栄してゆかれますよう、お祈り申し上げます。

 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


ほったいもいじくんな。
[訳: いま何時ですか?]
(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2013年10月19日
山田 真美
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