2006年7月9日号(第225号) 五色の短冊の謎 【お知らせ�@】 「チベット砂曼荼羅ライブパフォーマンス〜ギュト寺院僧侶による砂曼荼羅とバター彫刻の制作展」 期日：7月22日（土）〜30日（日） 場所：大本山護国寺 ※非常に珍しい砂曼荼羅の制作をライブでご覧いただけます。会期中の7月26日（水）19：00〜20：00には山田真美のトークもございます。是非お運びください。 【お知らせ�A】 7月に放送が予定されておりましためざましテレビの「ワールド・キャラバン〜インド編（山田真美出演分）」は、北朝鮮のミサイル発射に伴うフジテレビの番組変更により、8月31日（木）に延期されました。放送時間など詳細は追ってお知らせします。 　高校生の息子が夏休み、南半球はオーストラリアの大学に留学中に娘が冬休み（！）で一時帰国中のため、ただいま家族揃って信州の山小屋に篭もっております。 　さて、一昨日は7月7日で、七夕でした。 　七夕と言えば、恋に夢中になって仕事を怠けたばかりに遠く引き裂かれ、1年に1度だけしか会うことを許されなくなった織姫と彦星の美しくも悲しい恋の物語。 　この物語の原型は中国にあるそうですが、短冊に願い事を書いて笹に吊るすという風習は日本独自のものなんですって。 　七夕と言えば、誰でも知っている歌に「たなばたさま」（作詞／権藤はなよ・林柳波）があります。 　　　ささのはさらさら　軒端にゆれる 　　　おほしさまきらきら　金銀砂子 　　　 　　　五色（ごしき）のたんざく　わたしがかいた 　　　おほしさまきらきら　空からみてる 　難解な歌詞が多い日本の童謡には珍しく、これはかなり易しい歌詞ですが、注意しなくてはならないのは、2番に登場する五色という言葉でしょう。 　「五色の短冊」と言うけれど、一体どうして五色なの？という素朴な疑問が首をもたげます。 　そこで登場するのが、中国の陰陽五行説という古い思想。 　その昔、「漢」と呼ばれた頃の中国では、「陰」と「陽」の相対する2つの気（これを二気と言います）に「木・火・水・金・水」の五行を組み合わせて、森羅万象を説明することが流行しました。 　「五色の短冊」の五色とは、もとはと言えば、この陰陽五行説によって分類された青・赤・黄・白・黒の5色のことなんですネ。 　陰陽五行説では、この世のありとあらゆるもの（森羅万象）を「木・火・水・金・水」の5つの元素に分類し、これらを「五行」と呼んだわけですが、それ以外のものも、すべては「木・火・水・金・水」に連動する形で5つに分類されました。 　例えば、 　方角は「東・南・中央・西・北」の五方。 　季節は「春・夏・土用・秋・冬」の五時。 　神は「蒼龍・朱雀・黄龍・白虎・玄武」の五神。 　感情は「喜・楽・怨・怒・哀」の五情。 　動物は「犬・羊・牛・鶏・猪」の五畜。 　体液は「泣・汗・涎・涕・唾」の五液。 　感覚は「視・聴・嗅・味・触」の五感。 　内臓は「肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓」の五臓。 　「五臓六腑にしみわたる」という表現がありますが、その場合の五臓とは、上記の5つの臓器のことなんですネ。ちなみに六腑のほうは、大腸・小腸・胆・胃・三焦（上腹部・中腹部・下腹部の総称）・膀胱をさします。 　……といった調子。 　但し、このうちの色に関して言えば、日本では黒の代わりに高貴を表わす紫を使うようになり、七夕の短冊も「青・赤・黄・白・黒」ではなく青・赤・黄・白・紫にする地域が多いようですが。 　ちなみにヒマラヤのチベット人居住区へ行ってみますと、青・赤・黄・緑・白・緑の5色の旗（「タルチョ」または「ルンタ」と申します）が至るところにたなびいていますが……ここでもやはり黒は使われず、代わりに使われる色は緑。 　どうやら5色のうちの黒だけが、どこへ行っても敬遠されてしまったようですネ。 　ところで今、急に思ったのですが、子ども達の永遠のヒーロー・シリーズである△△戦隊○○レンジャーのシリーズも、もしかしたら陰陽五行説に影響されているのではないかしら（笑）。 　レンジャーのストーリーは、いつだって善と悪の戦いという極端な二元論（陰陽思想に近い）の上に成り立っている上、ほとんどのレンジャーは5人編成で、それぞれのテーマカラーも赤・青・黄色・白（またはピンク）・緑（または黒）でしょう？ 　レンジャー・シリーズを最初に考えたTVプロデューサーは、案外物凄いインテリだったりして（笑）。というのは冗談としても、この5色の取り合わせは、レンジャーシリーズにも登場するほど日本人にとって非常に馴染み深いということでしょう。 　なお、歴代のレンジャーについて詳しく知りたい方はこ下記URLをご覧ください（笑）。 　http://www.super-sentai.net/sentai/ 　……とまあ、例によって前置きばかりが長くなりましたが、そんなわけで今年の七夕は山小屋に籠もり、庭に群生するクマザサを一枝取ってきて書斎に飾り、夏の風情を楽しみました。 　そう言えば子どもの頃は、私も毎年のように白い短冊に願い事を書き（というか、大人から強要されて“書かされていた”というのが真実ですが）、母が用意してくれた笹の枝に吊るしたものです。 　あの頃、自分は一体どんな願い事を短冊に書いていたのか。今ではもう、具体的なことを思い出すことが出来ませんが、おそらくは、 「○○○を買ってもらえますように」とか、 「夏休みに海へ連れて行ってもらえますように」 といった、実現する可能性がかなり高い願い事を書いていたのではないかと思います。今にして思えば、本当に可愛いものです。 　それに比べ、今の私は、何と強欲な人間になってしまったことでしょう。なにしろ今では、 「いつか悟りを開けますように」 などという、とてつもなく身の程知らずな願い事しか思いつかないのですから（爆）。 　「悟りを開きたい」と願うなんて、ほんと、これぞ煩悩の塊って感じですよネ。恥ずかしくて、とても短冊には書けません（とか言いながら、ホームページにはしっかり書いているわけですが……）。 　そんなわけで最近の私は、町を歩いていて七夕の笹飾りの脇を通り過ぎるたびに、「お金持ちになれますように」などと書かれた他人の無邪気な願い事を見ながら、 （ふっ。若いな） と心のなかで思い、そのままムフフと笑いしながら通り過ぎることにしているのでした（笑）。 　そんな折も折、一昨日、息子のNASAがいつもの淡々とした口調でこんなことを言っていました。 「それにしても、七夕に願い事をするってかなりナンセンスな行為だよね。だって、地球からアルタイル（彦星のことは）までの距離は約16光年。べガ（織姫のこと）に至っては約25光年もあるんだぜ。 「つまり、今年の七夕の願い事が織姫に届くまでには、たとえ光速で進んだとしても、今から25年もかかるわけだ。メッセージを受け取った織姫から返事が戻ってくるのは、さらにその25年後。つまり、2006年の七夕に地球から送った願い事が叶うのは、たとえ織姫がすぐにリアクションを起こしてくれたとしても、早くても2056年ってことなんだよ。 「彦星のほうはもう少し早いけれど、それだって往復に32年もかかるしね。 「ついでに言えば、アルタイルとベガの間の距離も、約16光年もあるんだぜ？　こんなに遠く隔たった二人が毎年逢瀬を重ねること自体、そもそも物理的に不可能なんだからさ」 　言われてみれば、確かに（笑）。 　七夕の日に短冊に書くあの願い事は、一体誰に対して書いているのでしょうね？ 　もっとも、そんなことを一々気にしていたら、ほとんどの伝統行事は存在意義を失ってしまうでしょうが。 　まあ、あまり難しいことは考えず、ロマンティックな夏の夕べを楽しむのも一興でしょう（笑）。 　ちなみに、「七夕の星」を「7月7日の夜から7月8日の朝にかけての夜空にかかる星」と思っている方が多いようですが、七夕の星とは、正確には前夜（7月6日）から7月7日の明け方に見える星のことを指しているそうです。 　具体的には、天頂に織姫（織女星）と彦星（牽牛星）が集まってくる7月7日の午前1時（＝7月6日の25時）頃が、星空観察にはベスト・タイミングのよう。 　もしお忘れにならなかったら、来年はぜひ7月6日の夜に夜更かしをして、夏の夜空を堪能してみては如何でしょうか。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年7月9日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年6月26日号(第224号) 「現代インド絵画展2007」開催へ （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　オーストラリアの美大に留学中の娘LiAが冬休みで一時帰国（ヒント＝南半球はこれから真冬）。一段と賑やかさを増した今週の山田家です。 　さて先週は、インド十大財閥のひとつモディ財閥より、サティッシュ・クマル・モディ氏が来日されました。 　モディ氏は、モディ・ファイバー、モディ海外投資、モディ・ルフト（現スパイス・ジェット）、モディ紡績織物工場、インド製糸工場連盟などなど20社以上のインドの大手企業や連盟の会長・社長をつとめる大実業家ですが、それと同時に、文化や教育の支援者としてもつとに有名です。 　実は、来年（2007年）は日印両国政府が取り決めた「日本におけるインド年」であり「インドにおける日本年」。すなわち、両国にとっての文化交流の年に当たります。 　ご存知のように、日本とインドは主に仏教文化を通じて古くから深い縁（えにし）で結ばれておりますが、残念ながらその交流は「古いもの」ばかりに寄りかかるところが多く、「現代のインド」「現代の日本」に関しては、お互いにほとんど何も知らないという現状があります。 　今から約100年前には、「アジアはひとつ」の名言で知られる岡倉天心というインターナショナルな文化人が現われて、日本とインドの文化交流の重要性を説きましたが、彼の高邁な理想は、残念ながら日本という排他的な土壌の中にいつしか埋もれてしまいました。 　昨今の日印関係に目を移しますと、経済の結びつきに関しては次第に成長しつつあるものの、より深遠な次元で人と人とを結びつける文化面での理解は、まだまだ立ち遅れていると言わねばならないでしょう。 　そこで来年は、まずは日本の皆さんにインドの現代アート（コンテンポラリー・アート）を気楽に楽しんでいただこうという趣旨のもと、インド最大の美大である国際芸術大学（International Institute of Fine Arts）の主催により、「インド現代絵画展2007」を開催の運びとなりました（会期・2007年7月18日より、於・上野の森美術館）。 　その準備のために、先週は国際芸術大学の創設者であり総長であるモディ氏を東京にお迎えし、同展覧会の実行委員会発足レセプションを開催。私も実行委員のひとりとして、パーティーを主催して参りました。 　インドを代表する現代画家の作品がまとめて日本で展覧されるのは、日印の歴史を通して今回が初めてのことであり、来年の展覧会には外務省、駐日インド大使館、ユネスコ等からの後援も予定されています。 　展覧会はまだ1年先のことではありますが、とは言え、実行委員会の準備は既に着々と始まっております。皆さんも来年の夏は、ぜひとも上野公園へ足をお運びくださいネ。 　……というわけで、このところ文化関係のイベントの主催が続き、なかなか落ち着いて執筆する時間がないことが玉に瑕なのですが（苦笑）。 　まあ、長い人生の中にはこういう時期もあるでしょうし、作家の仕事は単に「書く」ことではなく「紡（つむ）ぐ」ことであるというのが、私の信条であり生き方ですから。 　今回のように文化を発信し人と人との間を紡ぐという形で社会貢献できることは、私にとって大きな喜びなのです。 　そのような次第ですので、この夏は腰を据えていくつかのイベントの準備に取り組みたいと思います。 　ではでは♪ ※書く＝文字・記号を記すこと。ある思想内容を文章にすること。 ※紡（つむ）ぐ＝綿や繭から繊維を引き出し、よりをかけて糸にすること。（三省堂「大辞林」参照） 　 　事事如意 　　　　　2006年6月26日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年6月17日号(第223号) 国旗と国歌 　昨夜から今朝にかけて、サッカーＷ杯一次リーグアルゼンチンvs.セルビア・モンテネグロ戦とオランダvs.コートジボアール戦を立て続けにテレビ観戦していたため、今朝はかなり寝不足気味のマミリン♪こと山田真美です（笑）。 　まあ、あれですよ。正直なところ、個人的には「特にサッカーが好き」というわけではない、と言うか、サッカーそれ自体にはほとんど興味がないのです。 　とは言え、世界のトップレベルのスポーツマンが集まるような場所には、やはり何か独特のオーラがあって、強く惹きつけられますネ。 　だって、ああいうところに出て来る選手達は、我々一般人から見たら肉体のエリートなわけじゃないですか。 　彼らが子どもの頃から磨きに磨いて徹底的に鍛えぬいた人間の身体能力の限界を見るだけでも、Ｗ杯は十分楽しい。 　身体能力以外にも、戦術上の駆け引きとか、土壇場の精神力が実技に及ぼす影響など、まさに見どころ満載の90分間です。 　ちなみに昨夜の私が応援していたのは、それぞれアルゼンチンとコートジボアールでした。 　え、理由ですか？　理由はですネ、まず第一に、私は社団法人日本アルゼンチン協会の会員でございま〜す（笑）。アルゼンチンには、もちろん友達も多いし。 　オランダvs.コートジボアール戦のほうは、初めは特にどちらを応援するということもなく見ていたのです。 　けれども、オランダに先制点を入れられながらも、最後の最後まで一瞬たりとも試合を投げることなく果敢にボールを追いかけて行ったコートジボアール選手たちの、あの食らい付くように真っ直ぐな視線を見ているうちに、気がつくと自然に彼らを応援していました。 　それと、オランダの大応援団のほうに、とてもフェアとは言い難いブーイングが多くてあまり感じが良くなかったし。 　点数の上では負けてしまいましたが、実質的には最後までコートジボアールが勝っていた試合だと思います。 　コートジボアールの選手たち、次回もガンバレ！　「戦に負けて勝負に勝つ」という言葉を思い出した一夜でした。 　さて、個人的には、Ｗ杯にはもうひとつの楽しみ方があります。それは、選手と共に入場してくる国旗のデザインをじっくり鑑賞し、選手入場の直後に演奏される国歌のメロディーを拝聴すること。 　多くの場合、国旗にはその国の歴史や宗教、未来へのビジョンなどが織り込まれていますから、国旗を見ただけで色々なことを推測することが出来ます。 （一例を挙げれば、国旗に月が描かれている国家の多くはイスラム教国です） ※世界各国の国旗のデザインにご興味がありましたら、こちらで閲覧してみてください。 　http://www.mofa.go.jp/mofaj/world/kokki/ 　国旗のほうは、調べようと思えばインターネットなどで調べられますが、「なかなか知る機会がない」という意味でより面白いのは、やはり国歌のほうでしょう。 　なにしろ国歌は、Ｗ杯のようなイベントがなければおそらく永遠に聞くことはないであろうレア曲のオンパレードですから。 　そう言えば、先日の日本vs.オーストラリア戦のときには、私がオーストラリアに詳しいと知っている友人から即座に電話がかかって来ましたよ。彼女いわく、 「驚いたわ。オーストラリア国歌は『ワルツィング・マティルダ』じゃなかったのね。試合の前に流れたのは聞いたこともないメロディーだったけど、あれが本当のオーストラリア国歌なの？」 　彼女と同じ感想を持った人は、ほかにもいたかも知れません。 　オーストラリアの国歌は、かの有名な『ワルツィング・マティルダ（Waltzing Matilda）』ではなく、Ｗ杯のときに流れた『アドバンス・オーストラリア・フェア』なんです。 　ただし『アドバンス・オーストラリア・フェア（Advance Australia Fair）』が国歌に制定されたのは割と最近（1984年）のことで、それ以前は英国国歌の『ゴッド・セーヴ・ザ・クイーン（God Save the Queen）』がオーストラリア国歌でした。 　つまり、私が1982年〜83年にかけてオーストラリアの大学院に留学していた当時は、まだ『ゴッド・セーヴ・ザ・クイーン』が国歌だったというわけ。但しその当時から、国民感情としては「この曲はイギリスの国歌であって、我々オーストラリア人のものではない」という想いが強かったようですけれど。 　余談ですが、『ゴッド・セーヴ・ザ・クイーン』は、「女王陛下に神のご加護あれ」とか「女王陛下万歳！」といったニュアンスですよね。 　それなら、チャールズ皇太子やウィリアム皇子が国王に即位された暁には、国歌のタイトルも『ゴッド・セーヴ・ザ・キング』に変わってしまうのかしら？ 　そう思って調べたところ、そういうことではなく、この曲のタイトルは現在も正しくは『God Save The King/Queen』というんですって。 　男女どちらの王様が即位しても、そのまま対応できるタイトル！　ちなみにこの歌は、17世紀から続く由緒正しい国歌だそうです。 ※『ワルツィング・マティルダ』のメロディーを聴きたい方はこちらのサイトにお邪魔して聞いてみてください。 　http://ausinternet.com/ettamogah/waltzing.htm 　きっと、どこかで聞き覚えがあるのでは？ ※『アドバンス・オーストラリア・フェア』はこちら（ページ左下「音楽ダウンロード」の各項目をクリック）。 　http://www.australia.or.jp/gaiyou/australia/anthem.html ※『ゴッド・セーヴ・ザ・クイーン』はこちらで聴くことが出来ます。 　http://hjem.get2net.dk/niels_quist/gbnatant.htm 　そんなこんなで、Ｗ杯のおかげで国旗と国歌を目（耳）にすることの多い昨今。 　そんな時期に、来週はたまたまインドからVIPが来日なさることになっておりまして、そのための歓迎式典を催すため、私もここ数日はインドの国旗と国歌演奏の用意で走り回っておりました。 　日本では国旗・国歌というと即座にアレルギー反応を起こす方が少なくないようですが、国際的な見地から言えば、海外の要人などを正式にお迎えする場合には、国旗の用意は当然のマナー。これに加えて国歌の演奏があれば、100点満点の歓迎内容と言えるでしょう。 　今回インドから来日なさるのは、インド十大財閥の一つであるモディ財閥のサティッシュ・クマール・モディ氏です。 　モディ氏は、私にとっては家族ぐるみの親しい友達でもあるのですが、今回は日印両国政府やユネスコが関係した大きな文化イベントのための来日であるため、国旗と国歌演奏をもって正式にお迎えすることにいたしました。 　折角ですので、こういう場合の「お客様の正式な迎え方」を書いておきましょうか。 　こんなマニュアルはあまりないと思いますし、頭の片隅にでも覚えておけば、将来何かのときにお役に立つかも知れませんから。 　まず、主催者は、式典会場の正面の高い位置に、ゲスト国（今回の場合はインド）およびホスト国（日本）のそれぞれの国旗を並べて掲げます。 　その際、両国の旗のサイズや掲揚する高さは同じになるようにしてください（←重要）。 　すべての出席者は、メインゲストが到着する前に揃っていて、メインゲストが部屋に入って来たら全員起立してお出迎えしなければなりません（メインゲストよりあとで到着したり、メインゲストより先に退席することは、極めて失礼な行為とみなされます）。 　メインゲストが入場したら、まずゲスト国（インド）の国歌を演奏し、次いでホスト国（日本）の国歌を演奏します（演奏の順番を間違えないよう注意）。 　生の演奏が無理な場合は、CD使用ももちろんOKです。 　国歌の演奏中は、必ず起立。演奏中の飲食やおしゃべりは厳禁です。 　多くの場合、国旗は会場の前方（ひな壇の上など）に掲げてあって、旗の下あたりの位置にメインゲストが立っていることが多いので、出席者はそちらの方向に向かって姿勢を正して国歌を聴くのが一般的でしょう。 　多くの国では、その間ずっと右手を軽く左胸の上に置き祖国への忠誠を示します（注／但し、胸の上に手を置くのは自分の国の国歌が演奏されているときのみ）。 　これは日本人には馴染みのない行為ですから、やりにくい人は無理にやらなくても構わないでしょう。 　……とまあ、これが国際社会での常識ですので、覚えておいて決して損はないと思います。 ※インド国歌『ジャナ・マナ・ガナ』のメロディー（かなり芸術的に演出されたバージョン）を聴きたい方はこちらからどうぞ。最後のほうで「ジャヤ、ジャヤ、ジャヤ、ジャヤ」と繰り返していますが、その意味するところは「勝利、勝利、勝利、勝利（を汝に）」です。 　http://video.google.com/videoplay?docid=7399792002477900458 　ちなみに、日本の国旗（いわゆる「日の丸」）の歴史は非常に古く、文武天皇（西暦683年生〜707年没）の時代にまでさかのぼると言われます。優に1300年以上の歴史があるわけです。 　また、国歌『君が代』のほうも、歌詞の出典は10世紀の初頭に編纂された『古今和歌集』と言いますから、こちらも1000年以上の歴史を持つ、実に古い歌詞なんですネ。 （ちなみに、4000年とも5000年とも言われる歴史を持つインドでさえ、現在の国歌が作詞されたのは20世紀に入ってからのことです） 　『君が代』の歌詞に現在の曲が付けられたのは明治時代で、作曲者は当時の宮内庁楽長で雅楽奏者の林広守氏（大阪出身）だそう。 　以前どこかで、林氏が紋付はかま姿で正座した写真を見たことがありますが、その風貌は、目は細く切れ長、唇は一文字にぎゅっと閉じて、いかにも一徹な明治の雅楽師という雰囲気でした。 　サッカーＷ杯で他国の国旗や国歌を見聞きすることの多いこの時期、自分たちの国旗や国歌について改めて想いを巡らしてみるのも一興ではないでしょうか。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年6月17日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年6月11日号(第222号) 火天大有、善は急げ 　つい昨日のことですが、ちょっと不思議な出来事がありました。 　仕事の調べ物のために、とあるウェブサイトに行こうとしてURLを間違え、全く関係のないサイトに迷い込んでしまった私。そのページはすぐに閉じてしまったので、それが何というサイトであったか今となっては覚えていないのですが、ページのトップに書かれていた、 　善は急いで、急いで、急いで、急げ！ というような文面は、何故か強烈に印象に残るものでした。 　まるで鋭利なナイフでグサッと突いてくるかのようなストレートなメッセージに、私は正直なところ、（あ、やられたな）と思ったのです。 　しかし、話はそれだけでは終わりません。 　くだんの出来事から1時間ほどして、また別のことを調べるために先刻とは別のサイトを訪ねたところ、今度はそのページの最後のほうに、 「無料であなたの運勢を占います。占いますか？」 とリンクが張ってあったのです（訪ねていたのは占いとは無関係のサイトだったにもかかわらず）。 　で、特に必要はなかったのですが、まあ面白そうだったので息抜きにクリックしたところ、飛んだ先は易占いのサイト。そして、肝心のご託宣の内容は、 　火天大有 となっていました。 　「火天大有」？　まるで聞いたことのない言葉です。 　気になったので調べてみたところ、火天大有は「かてんたいゆう」と読んで、空の真上に太陽が照り輝く真昼の状態、すなわち太陽がいっぱいという意味だそう。さらに、その占いには注釈があって、 「善は急げ。今は前進することだけを考えよ。油断をせず、周囲への思いやりさえ忘れなければ大吉の相」（大意要約） と続いていたではありませんか。 　知らない人たちから1日に2回も「善は急げ」と忠告されるとは！　偶然と言ってしまえばそれまでですが、どうにも気になるメッセージです。 　……以上が昨日の出来事。で、これはつい今しがたのことですが、昨日とはまったくの別件で、今月公開の映画『オーメン』のオフィシャル・サイトを覗きに行ったところ、そこには、またしても無料の占いコーナーが……（今度は「TABOO占い」という名のタロット占いでした）。 　昨日のことがあったので、今度はどんなご託宣が出るかしらと興味津々で1枚のカードを引いてみますと、その結果は、 「今日は何事も先延ばし厳禁。良い結果を得たいならば、邪魔の入る前に迅速に動くこと」 ですって！ 　これって言葉を換えれば「善は急げ」という意味ですよね？　2日のうちに3度も、しかもそれぞれ何の関連性もない3つのウェブサイトで「善は急げ」と言われたとなると、気にするなと言われても気になるのが人の情というもの（笑）。 　それも、相手が私を個人的に知っている（家族とか友人とか占い師とか）ならともかく、「パソコン」という物言わぬ機械を通じて、まったく知らないウェブサイトから機械的に通達されたメッセージであるだけに、かえってこれには強い真実味がありました。 　と同時に私は、 「そう言えば、元旦に『今年こそやるゾ！』と掲げた目標の中に、まだほとんど進展していないプロジェクトが2つもあるのでは？！」 と我に返り、俄かにあたふたしはじめたのでありました。 　善は急げ。 　英語では“Now is the time to act.” とか “Good deeds should be done quickly.”。 　人によっては、「何もそんなに急ぐことないじゃないの。人生楽しく、ゆっくり行きましょうよ♪」という方もいらっしゃるでしょう。その考え方には基本的には私も賛成ですが、とは言え人生には、時として「急がなければならない場面がある」ということも、また揺るがしようのない真実。 　たとえば、ほら、「チャンス（の女神）には後ろ髪がない」という諺があるじゃありませんか。 　その心は、チャンスが到来するのは、まさに一瞬の出来事で、そのとき決断を躊躇してしまうと、気づいたときには、チャンスは貴方の横を通り過ぎてしまっている。あわてて背後から捕まえようにも、チャンスには後ろ髪がないので、もうそのときは捕まえることは出来ないということ。 　この言葉を聞いてドキッとした人、心がザワザワしだした人は、要注意かも知れませんよ。 　もしかしたら貴方は、人生でなすべき何か（誰かとの大切な約束とか、今年の抱負、あるいはもっとさかのぼって、子どもの頃の夢など）を忘れている（あるいは忘れたふりをしている）のではありませんか？ 　当たり前すぎて、普段はついつい忘れがち（≒無視しがち）のことですが、人生は永遠に続くものではありません。 　いつか年を取ってから「あのとき、ああすれば良かったのに」と後悔しないためにも、本当にやり遂げたい何かを持っているなら、「善は急げ」で今すぐ行動に移したいものですよネ。 　その当たり前のことを、3つのウェブサイトからのメッセージによって改めて実感した私なのでした。 　今日は少々お説教じみた話でスミマセン（苦笑）。 　まあ、そんな次第ですので、今日はこれから（日曜日ではありますが）気になっている仕事を鬼のように片付けようと思います。 　というわけで皆さまも、くれぐれも時間を大切に。そして、楽しく有意義な週末をお過ごしください。 　今日という日は、二度とは帰って来ないのですから。 　ではでは♪ ※当サイトの「Bar Mamilyn〜マミリンへ100の質問」内に、「きらめく100の質問」を追加いたしました。お暇なときにご笑覧くださいマセ。 　事事如意 　　　　　2006年6月11日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年6月4日号(第221号) 一房のバナナと小さな幸せ ●7月22日（土）〜30日（日）までの9日間、大本山護国寺（東京都文京区大塚）において「チベット砂曼荼羅ライブパフォーマンス　―　ギュト寺院僧侶による砂曼荼羅とバター彫刻の製作展」と銘打った大きな文化イベントを開催いたします（主催／ダライ・ラマ法王日本代表部事務所、後援／大本山護国寺、日印芸術研究所）。近日中に詳細を正式発表いたしますので、どうぞお楽しみに。 　このところ、仕事のための調べ物や細かなデスクワークが延々と続いております。 　先週は、火曜日にアルゼンチン大使公邸で催されたパーティーに出席したほか、金曜日には編集者の芝田さんとドイツレストランで食事をし（詳しくは「マミリンのオススメBar」をご覧ください）、土曜日に茶道教室に出かけたぐらい。 　そのほかにも先週は、英語教材などの出版でお馴染みのアルクさんとアスコムさんから、それぞれ早期英語教育に関するインタビューを受けましたが、インタビュー自体は編集部のかたとカメラマンさんに拙宅まで足を運んでいただきましたので、私自身はほとんど書斎に閉じこもり状態。 ※インタビュー内容は↓こちらのムック本↓に収録される予定です。どうぞお楽しみに。 　＊『10歳までの英才教育（仮）』（アスコムより8月発売予定） 　＊『よちよち英語2007』（アルクより9月発売予定） 　あ、閉じこもりと言っても、もちろんその間もブースケの散歩だけは毎日欠かしませんでしたけれどネ（笑）。 　ブースケを連れての散歩 ―私はそれを「ブースケとのデート」と呼んでいるのですが（笑）― だけは、たとえどんなに忙しいときでも、雨の日も風の日も、ほぼ1日たりとも欠かしたことがない私です。 　この春インフルエンザを患ったときも、40℃を越す高熱が出た最悪の1日を除いては、フラフラになりながらも毎日散歩に出かけていたぐらいですから。 （注／パンダの散歩は家族のほかの人たちが交替でやっています。私はブースケの散歩のみ担当） 　まあ、それはともかく、目下私のもとには様々な種類の仕事の依頼が殺到しておりまして（多謝）、今朝も6時頃から書斎にこもり、ひとり静かにデスクワークに没頭していたわけなのでありました。 　で、これはつい先程の出来事なのですが、ちょうど仕事も佳境に入ってきた頃にドアチャイムが鳴り、宅配便が届きました。伝票を見ると、荷物の差出人は駐日コロンビア大使となっています。 　コロンビア大使と言えば、先週のコスタリカ大使の送別会でお隣りの席に座った、とても気さくで話の面白いジェントルマン。 　いったい何を送ってきてくれたのかしらと不思議に思いながら封を開けてみれば、現われたのは、なんと驚いたことに一房のバナナ（！）でした。 そう言えば先日お目にかかったとき、大使と私のあいだでは次のような会話が交わされておりました。 大使（私の指輪をご覧になりながら）　「おや。エメラルドの指輪をしていらっしゃいますね」 私　「はい。これは母から譲り受けた大切な指輪なんです」 大使　「そうでしたか。その石は、おそらくコロンビア産ですよ。日本に輸入されるエメラルドの大半はコロンビア原産ですから」 私　「まあ、そうなんですか？　私は不勉強で、コロンビアと言えばコーヒーぐらいしか知りませんでした（笑）」 大使　「コーヒーはもちろんですが、コロンビア産のバナナも美味しいですよ」 私　「コロンビア産のバナナって、どこで手に入るんでしょう」 大使　「ジャスコとかダイエー（注／と仰ったような気がしますが、定かではありません）のような大型スーパーでは定番商品のはずですよ」 私　「あら。私が行くスーパーには、フィリピン産と台湾産のバナナしか置いてありませんわ」 大使　「そうですか。それじゃあ、今度コロンビア産のバナナも味見していただかなくてはいけませんね」 　……とまあ、こんな感じの会話だったのですが、そのときの約束を守って、大使は一房のバナナをわざわざ宅配便で送ってくださったのでした。 　この世の中、口約束だけで実行に移さない人も少なくありません。わざわざ丁寧なお手紙つきで自国のバナナを送ってくださったコロンビア大使の律儀な気配りに、心から嬉しくなってしまいました。 　ちなみに「カリブの風」と名づけられたこのバナナは、コロンビアはサンタマルタにあるシエラネバダという海抜5,775メートルの高地で作られた有機栽培バナナだそうです。 　試しに1本いただいてみたところ、いつも食べているバナナとは別の種類の食べ物では！？と思うほど、驚くほど甘く濃厚なお味でした。サイズもかなり大きいので、おやつはもちろん軽い食事がわりにも重宝しそう。 　そんなわけで、今日は早朝から一房のバナナにしみじみしている私なのです。 　そうそう、これとは別につい先日も、中学時代からの友達で、ときどき予告なしに奇妙な物（例：「週刊マミ自身」第185号でご紹介した「おばけ探知機」など）を送ってくださるイナダムシさんからも、「レインボー・メーカー」と「こどもびいる」なる品々が送られてきました。 　このうちのレインボー・メーカーは、窓などに取り付けるだけで太陽エネルギーによってスワロフスキーのクリスタルがくるくる回り、天気の良い日には室内に虹（プリズム）が出現。壁や天井、床の上などを虹が回り出すというもの。 　http://www.kikkerland.com/HO/1588.htm 　もう一方のこどもびいるは、ノンアルコールの炭酸飲料だそうで、瓶にハッキリとこれはお酒ではありませんの文字。 　公式サイトによると、どうやらこの飲み物のテーマは「こどもだって飲まなきゃやってらんねえよ」のようです（笑）。 　http://www.kodomo-beer.com/ 　一房のコロンビア産バナナと、小さな虹ができる装置と、ノンアルコールの「こどもびいる」を贈られる。 　どれも「それがなくては生活に困る」という種類の物では全然ありませんが、なんなんでしょう、こういう非日常的な出来事って、心がくすぐられると言うか、気持ちが浮き浮きしませんか。 　こういう小さな出来事を「ああ、なんだか幸せだなぁ……」としみじみ感じられる心の働きこそが、人間にとって、とても大切なことなのでしょうネ。 　だって、人生は大きな事件よりも、むしろ小さな出来事の積み重ねで出来ているのですから。 　部屋の中をくるくる回る小さな虹たちをぼんやり眺めながら、コロンビア産のバナナをいただく幸せ。そんなささやかな時間をもっと大切にしたいなと思う、日曜の昼下がりなのでした。 　ではでは♪ ＊追記＊ 　そんなことを言っていたら、つい今しがた仕事の調べ物で訪れた某ウェブサイトでキリ番を踏んでしまいました。しかも末広がりの八のぞろ目です。もしかして今日の私、ツイテいるのかも？ 　 　事事如意 　　　　　2006年6月4日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年5月27日号(第220号) めざまし収録とコスタリカ大使とのお別れ （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　……というわけで、7月10日（月）開催予定の「チベット舞台芸術団東京公演」で司会をすることになりました。 　当日は、世界的なサックス奏者の渡辺貞夫さんも舞台挨拶に立たれる予定です。「チベットオペラ」と呼ばれる色彩豊かなヒマラヤの芸術を、この機会にぜひご覧くださいませ。 　以上、簡単ではございますがPRでした（笑）。 　さて。今週も忙しい忙しいと言いながら走り回っているうちに、気がつけば早くも土曜日。あと5日で、もう6月ですよ。 　この1週間をざっと振り返ってみますと、月曜日は仕事の打ち合わせと、お茶のお稽古。 　火曜日は品川駅前の映画館（品川プリンスシネマのプレミアムシート）で『ダヴィンチ・コード』を鑑賞。私にしては珍しく、感想は特にありません。原作は本当に面白いのですがねぇ……（以下略）。 　水曜日は再び仕事の打ち合わせのほか、「めざましテレビ」（フジテレビ系）の収録がありました。 　「めざましテレビ」をご覧になったことのある方はご存知と思いますが、この番組ではときどきワールド・キャラバンというコーナーを企画しています。 　ごく大雑把に言いますと、このコーナーでは日本に住んでいる誰かから、海外のどこかにいる誰かに宛てて「ありがとう」の気持ちを込めた1通の手紙がしたためられます。 　そして、番組のレポーターさんが現地まで手紙を運んで行く。 　その間には、手紙を出した人・受け取る人の関係や、外国の様子なども紹介される……というような趣向なんですネ。 　基本的には視聴者参加のコーナーらしいのですが、今回はほかでもないインド特集ということで、 「インドのことなら山田さんに」 というご依頼をいただきましたので、ありがたくお受けしたような次第です。 放送日はまだ決まっていないようなのですが……おそらく7月か8月のオンエアになるのではないかと。 　あと、私が手紙を書いた相手が誰なのか、右上の写真の中で私が手にしている物は何なのか等は、オンエアまで秘密です。 　今回は私のイタズラ心が炸裂し、フジテレビのディレクターがビックリするほど趣向を凝らした手紙になりました。受け取るインド人もビックリすること間違いありません（しかも相手のインド人というのが、そりゃあもうスゴイ人でして……）。 　オンエアの日程が決まりましたらお知らせしますので、ぜひぜひご笑覧くださいマセ♪ 　続く木曜日は、山のように積まれた膨大な量の仕事の資料を読むため、1日引きこもり（笑）。 　金曜日は、任期を終えて本国に帰ることになった駐日コスタリカ大使サラス氏の送別会に出席。 　コスタリカでは、先日総選挙が行なわれて政権が変わったばかりなのですが、この国のルールによれば、政権が変わると世界各国に駐在しているすべての大使は1ヶ月後に離任し、本国に帰らなくてはならないのだそうです（但し、特例的に駐米大使は除く）。 　日本の感覚ではとても信じられない奇妙なシステムですが、まあルールですから仕方がありません。 　せっかくお友達になったサラス大使（去年1月に就任したばかり）も、急遽本国に帰ることになってしまい、昨日はみんなで別れを惜しんで参りました。 　と言っても、そこはそれ、さすがは中米。ラテンのノリで最初から最後まで底抜けに明るいパーティーではありましたが。 　今回の送別会はごく内輪の集まりでして、会場はベネズエラ大使公邸。 　出席者はサラス大使ご本人のほか、駐日コロンビア大使夫妻、駐日パナマ大使、駐日ウルグアイ大使、駐日ベネズエラ大使など、たった9名でした。 　そこは当然エスパニョ〜ルの世界。お酒が進むにしたがって、次第に皆さんスペイン語しか話してくれなくなるし、私に対しても猛烈な早口のスペイン語で次から次へと話しかけてくるし、この晩だけでスペイン語がかなり上達したような気がするのは、私の気のせいでしょうか（笑）。 ところで、前号で告知したイギリス土産クイズには、たくさんのご応募をいただき本当にありがとうございました。 　私の予想では、織田信長風味のシェークスピア・ボールペン（爆）に一番人気が集中するはずだったのですが、いざ蓋を開けてみれば、何故かトランプに人気が集中！　こんなことなら、トランプをもっとたくさん買って来るんでした。 　厳正なるアミダくじの結果、当選者は次の8名様に決定いたしました。 ★シェークスピア型ボールペン　―　ペリコさま、Ｑちゃんさま、ナミさま、魔太郎さま、Selfishさま ★花の絵入りトランプ　―　ポセイドンさま、3977さま ★田舎料理のレシピーブック　―　姉ちゃんさま 　賞品は一両日中に郵送いたしますので、到着まで今しばらくお待ちください。 　なお、クイズ（シェークスピアの「四大悲劇」に含まれない作品はどれでしょう）の答えは、（B）の『ロミオとジュリエット』でした。 　「『ロミオとジュリエット』が四大悲劇に含まれていないなんて、意外！」という感想をお持ちの方もいらっしゃることでしょうが、四大悲劇とは『ハムレット』『リア王』『マクベス』『オセロ』の4作品のこと。 　この4作品が持つ救いようのない重苦しさと比べたとき、『ロミオとジュリエット』は、若いふたりの突発的な恋がテーマなだけに、全体に甘美ではあるけれど稚拙すぎて、「全人類に共通する悲劇」という要素は希薄と言わねばならないでしょう。 　日本では『ロミジュリ』なんて略されちゃってますし、ちょっと扱われ方が軽いですしネ（笑）。 　でもジュリエットは、なかなかいいことを言っていますよ。 “What's in a name? That which we call a rose by any other name would smell as sweet.” 「名前って何？　薔薇と呼んでいる花を別の名前にしてみても、美しい香りはそのまま」（小田島雄志・訳） 　14歳の誕生日を間近に控え、弱冠13歳で短剣で胸を突いてみずからの命を絶ってしまうジュリエットの、切なくも美しい台詞。美人薄命とは、まさに彼女のためにあるような言葉ではないでしょうか。 　……すみません。話が脱線しました。シェークスピアのこととなると、ついアツくなってしまうのです。どうかお許しを。 　脱線ついでに、もうひとつ（笑）。 　「シェークスピア作品のほとんどには元ネタがある」というのは有名な話ですが、シェークスピアという人は、これら元ネタを独自の脚本にまとめあげた、今でいうところのシナリオライターでした。 　で、ご他聞に漏れず『ロミオとジュリエット』にも元ネタとなった詩があるのですが、その詩を読んでみますと、驚いたことにジュリエットは16歳！という設定になっているんですよ。 　しかも、ふたりが出逢ってから死ぬまでにかかった時間も、シェークスピアが「4日」としているところ、元ネタではなんと9ヶ月もかかっているんです。 　13歳で激しい恋に落ちるか、16歳の恋か。 　出逢って4日目に死ぬか、9ヶ月経ってから死ぬか。 　両者を比較してみると、原作（元ネタ）よりもシェークスピア脚本のほうが圧倒的に緊迫した空気を帯びていると言えますよね。 　ま、うがった見方をすれば、ロミオとジュリエットの性急さから考えて、あのふたりが9ヶ月も付き合っていたらジュリエットのおなかが大きくなって物語の最後のほうでは臨月間近になっていたか、あるいは、ふたりとも別の恋人を作ってとっくに別れていた可能性のほうが大きいんじゃないかと（苦笑）。 　「出逢って4日目に13歳で死ぬ」という大胆な設定にこそ、天才シェークスピアのひらめきが感じられるように思うのですが、いかがでしょうか。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年5月27日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年5月21日号(第219号) ロンドンで「あの人」と密会 （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　ロンドンでの仕事を終え、無事に帰国いたしました。 　向こうでは仕事、仕事、仕事……と、24時間戦い続ける伝説のジャパニーズ・ビジネスマンさながらにワーカホリックな毎日だったのですが（笑）、仕事の内容に関しましてはまだ発表出来ないことが多々ありますゆえ、今日のところはそれ以外の話題でお許しください。 　たとえば、そう、ロンドンで密会した「あの人」の話など如何でしょうか。 　私は子どもの頃から「あの人」が大好きでしたが、この世で「あの人」に逢うなんてことは、所詮は叶わぬ夢だと思っていました。 　さて、私がロンドンで密会した「あの人」とは誰でしょう？ 　ここからいくつかヒントを差し上げますので、私が逢ってきた「あの人」の名前を当ててください。推理力を働かせ、なるべく少ないヒントで早く当てましょうネ。 　ヒント�@ 　「あの人」は男性で、英国はヨークシャー州生まれです。 　ヒント�A 　「あの人」はかなりのスポーツマンで、特にボクシングとフェンシングの腕前はプロ級です。 　ヒント�B 　「あの人」の出身大学は、オックスフォード大学またはケンブリッジ大学と言われています（あるいは、これら両方の大学で学んだらしいという噂もあります）。植物学や化学にべらぼうに詳しい、いわゆる理系頭脳の持ち主であることは間違いありません。 　……さて、いかがでしょう。「あの人」が誰であるか、上の3つのヒントで既にお分かりになりましたか？ 　まだお分かりにならない方のために、もう少しヒントを出しましょうネ。 　ヒント�C 　「あの人」の趣味はヴァイオリン演奏で、時折り真夜中にストラディバリを奏でているそうです。 　（注／ストラディバリ＝アントニオ・ストラディバリという名のイタリアの名匠が18世紀に作ったヴァイオリンの総称。現在は世界に約620挺ほどしか残っていないと言われます。最近では4億円近い値段が付けられたものもある、超高級ヴァイオリン） 　ヒント�D 　一般的にはあまり知られていないようですが、「あの人」は2年間ほどチベットを放浪し、その間に現地でラマ僧に謁見したと言われています。 　但し、ダライ・ラマ法王にお会いになれたかどうかは定かでありませんが。 　ヒント�E 　「あの人」の生年月日は、1854年1月6日であると信じられています。1957年1月6日に103歳で死んだという噂もありますが、いまだに生きていると信じている人もおり、本当のところはわかっていません。 　もし生きていれば今年で152歳になっているはずですネ（驚）。 　……え？　まだ全然わからない？　困りましたねえ。それではここで、スペシャル・ヒントを差し上げましょう。 　ヒント�F 　ここが「あの人」の家の入り口です。ロンドン市内にあります。 　ヒント�G 　家の玄関を入ったところは、こんな感じ。彼の部屋は、この狭い階段を昇った2階にありますよ。 　ヒント�H 　ここが「あの人」のお部屋です。お留守みたいですから、ここで暫く彼の帰りを待つことにしましょうか。 　テーブルの上に置かれたパイプとルーペは大きなヒント！ 　ヒント�I 　待てど暮らせど「あの人」が帰って来ないので、退屈になった私は隣の部屋を覗いてみました。するとそこには、「あの人」の敵が数人、忍び込んでいたではありませんか！ 　やっぱり探偵という職業柄、「あの人」には敵が多いようですネ。 　私、思わず回し蹴りをくらわせて、ヤツらを根こそぎ退治してやりましたわ。ほほほ♪ 　皆さんも、そろそろ正解がわかった頃ではないでしょうか。 　あ、噂をすれば影。「あの人」のご帰還です。 　……というわけで正解はシャーロック・ホームズでした！ 　え？　そんな架空の人物じゃ正解できるはずがない？　まあまあ、そう仰らないでくださいよ（汗）。 　なにしろロンドンのベーカー街221B番地には、実際にシャーロック・ホームズ博物館があって、そこにはコナン･ドイルが描写したとおりのホームズのアパートが再現されているのですから。 　上の写真に写っているホームズやモリアーティは、もちろん蝋人形ですが……なかなか精巧に出来ているでしょ？　ホームズが想像以上にハンサムで、感激いたしました（笑）。 　小学生の頃、名探偵シャーロック・ホームズのシリーズを貪り読んだシャーロキアン（シャーロック・ホームズの大ファン・研究家のこと）である私にとって、ホームズは単なる架空の人物を超えた大きな存在。 　今回ロンドンで「あの人（の蝋人形（笑））」と逢えたことは、生涯忘れない素敵な想い出となることでしょう。 　なお、シャーロック・ホームズ博物館のウェブサイト（日本語版）はこちらからご覧になれますよ。ファンの方は是非ご覧ください。 　今日の帰朝報告は、とりあえずこのぐらいにしておきますネ。 　なにしろ、日本に帰って来るなり再び仕事のミーティングが連日のように続き、まるで休む暇がなかったので、今日は1日ゆっくりお休みしたいと思います。 　お約束していたイギリス土産は、今回はシャーロック・ホームズ博物館から……とも思ったのですが、実は私、今回のイギリス滞在中にどうにか1日だけオフ日をつくりまして、ロンドンから車で2時間半ほどのストラトフォード・アポン・エイボン（Stratford-upon-Avon）という田舎町にあるシェークスピアの生家にも行って来たのですよ。 　ですから今回のお土産は、シェークスピアの故郷から。 　今回は、せっかくですからお土産のほうもクイズに答えて頂き、正解した方の中から抽選で差し上げるということにいたしましょう。 　すみません。シャーロック･ホームズに影響されたのか、今日の私はちょっとした謎解きフリークになっております（笑）。 　★イギリス土産クイズ★ 　次のうち、シェークスピアの「四大悲劇」に含まれない作品はどれでしょう。 　（A）マクベス 　（B）ロミオとジュリエット 　（C）オセロ 　お土産をご希望の方は、件名に「イギリス土産希望」と書いて、 �@ハンドルネーム �Aご本名 �Bご住所（当選した場合のお土産の郵送先になりますので、郵便番号も書き添えてください） �C希望の品名 �Dイギリス土産クイズの答え を、boosuke@badboy.co.jp宛てにメールでご応募ください。 　締め切りは5月26日、当選者は5月27日更新の「週刊マミ自身」で発表いたします。奮ってご応募ください。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年5月21日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年5月8日号(第218号) 倫敦（←読めますか？）へ行って参りまする 　ゴールデン・ウィークの行楽シーズンが一段落し、従来の静けさが戻った今日の日本列島ですが、それと入れ替わるようにして、私、これから英国はロンドンへ行って参ります。 　今回のイギリス行きは仕事の打ち合わせが主な目的なのですが、滞在中はフォーマルなパーティーとミーティングが連日目白押しになる模様……。 　しかも！　両国のあいだに横たわる8時間の時差（これがなかなかキツイんですよネ）を無視するかのように、空港到着直後には早くも最初のミーティングがセッティングされているようですから、おそらく今回の旅は人生史上最高の強行軍になるのではないかと。 　そんなわけですから、行きの飛行機ではしっかり寝ていこうと思います。 　飛行機と言えば、今回利用するエアラインは、私が「好きな航空会社ベスト3」に必ず挙げているヴァージン・アトランティック（本社・英国）でございま〜す♪ 　ここは料金の割にサービスが良いことでつとに有名。機内映画やゲームのサービスも充実していて、前回乗ったときは片っ端からゲームを攻略しちゃいましたし。 （……はっ。ということは、今回も飛行機で眠っている暇なんかないってこと！？） 　今回、私がロンドンでお目にかかる相手は、いわゆるセレブリティーです。それも、「超」が付くほどのセレブ。 　なんと世界の長者番付第3位（2005年度）に輝く、立志伝中の人物です。 　おそらく、今この瞬間、このページをお読みくださっている皆さん全員が一斉に、 「そんなスゴイ人と山田真美が何故ロンドンで逢うの？」 という疑問をお持ちになったことでありましょうが、えー、そのあたりの事情につきましては、近いうちに（たぶん来月ぐらいには）発表いたしますので、すみません、今暫くお待ちくださいませ（笑）。 　……にしても最近、「詳細は暫くヒミツ」というパターンがやたらと多いですよね、私の日記。 　ロンドンで予定されている連夜のパーティーに対処すべく、たった今パッキングが済んだばかりのスーツケースは大量の着物と帯で弾けそうです。 　 　そうそう、ここで話はいきなり変わりますが、着物と言えば、先週は我が家にとびきり素晴らしいお客さまがいらっしゃったんですよ。キモノ・デザイナーの斎藤登さんです。 　斎藤さんは東京芸大（日本画科）を卒業後、東京オリンピックのコンパニオンの着物や、政財界・芸能界の大御所のお着物などを手がけてこられたかた。その功績を認められて、平成13年には東久邇宮記念賞を受賞なさるなど、まさに日本を代表するキモノ・デザイナーでいらっしゃいます。 　斎藤さんがお作りなる着物は一点物のみ。デザインから布選びまですべて特注のオリジナル着物なんて、溜息が出るような世界だと思いませんか？ 　その斎藤さんが、先週は縁あって拙宅まで遊びに来てくださり、しかも着物のデザインについて一から教えてくださったのですから、感激もひとしおでした。 　着物のデザインは、まずは「絵羽紙（えばがみ）」と呼ばれる紙の上に全体像を描いてみるところからスタートするんですって。 　いただいた絵羽紙の上に、私は早速「熱帯のジャングルの風景」やら「宇宙にまたたく惑星たち」やらを描いて、かなり大胆な着物をデザインしてみました（笑）。 　今回のロンドン行きには間に合いませんでしたが、この次に海外でパーティーに出席するときは、是非とも自分でデザインしたマミリンoriginal着物で勝負してみたいなぁ、なんて思っています。 　 着物をデザインするときに使う絵羽紙　　　　　　　　　まだ何も描かれていない着物を広げたところ 　……と言うわけで、飛行機に間に合わなくなるといけませんので、そろそろ行って参りますネ。お土産話をお楽しみに。 　あ、用意されたホテルは、バッキンガム宮殿の並びだそうです（笑）。 　ではでは♪ ※次回の「週刊マミ自身」更新は、5月20日（土曜日）を予定しています。ロンドン土産が付く可能性大ですよ。どうぞお見逃しなく。 　事事如意 　　　　　2006年5月8日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年4月29日号(第217号) お釈迦様から−5℃の世界まで （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 【 お知らせ 】 ●5月13日発売予定の『NHK英語でしゃべらナイト』6月号（アスコム刊）に、「パーティーに招かれてもビクビクしないふるまいとは？　〜　各国大使とのパーティーの常連・山田真美さんに聞く！」と題した2ページの記事が掲載されます。「マナーブックには載っていないルール」などが紹介されますので、ご興味のある方は是非ご一読ください。 ●日本国内のインターナショナルスクール発行の会員誌“Ambassador”4月号に、私の英文エッセイ（Planting the Seeds of Bilingualism）が掲載されています。Check it out! ●7月22日（土）〜30日（日）までの9日間、都内某所でヒマラヤ関係の大きな文化イベントを開催いたします。近日中に詳細を正式発表いたしますので、「ヒマラヤ・ファン」「インド・ファン」の皆さんは、今からカレンダーにチェックを入れておいてください。 　ゴールデン・ウィークの到来と、それに伴う民族の大移動が始まった日本列島ですが、「週マ」読者の皆さまにおかれましては、いかがお過ごしでしょうか。 　昨夜でしたか、友人のひとりから「九連休が取れましたのでこれから実家へ帰り、久々に親孝行してきます」というメールを受け取り、（そう言えば世の中はゴールデン・ウィークに突入したのネ）と実感した私であります。 　ところでこの「ゴールデン・ウィーク」という言葉は、一体いつ頃から使われ始めたのでしょうか。 　少なくとも私が子どもの頃には、既にこの言葉は広く使われていたように記憶しているのですが。 　但し、テレビのニュースなどに耳を傾けていますと、例えばNHKさんは、この連休のことを「ゴールデン・ウィーク」ではなく「大型連休」と呼んでいます。つまり「ゴールデン・ウィーク」は正式名称ではないってこと？ 　「ゴールデン・ウィーク」は日本でしか使われない、いわゆる和製英語のようですが、その語源には諸説があるようです。 　そのひとつは、映画が全盛だった昭和20年代後半に、映画関係者が5月の連休をさして「黄金週間」と呼んだというもの。 　それによれば、連休は映画を観よう！というPRのキャッチフレーズとして考え出されたのが「黄金週間」という言葉で、やがてこれが横文字の「ゴールデン・ウィーク」に変わったのだとか。私はこの話を、日本の映画関係者から聞きました。 　これとは別に、雑学に強い友人から聞いた話では、「ゴールデン・ウィーク」の名前の由来は『東方見聞録』の著書でイタリア人旅行家のマルコ・ポーロにあるとの説もあるそうです。 　こちらの説によると、マルコ・ポーロが来日したのが5月上旬。そのことと、彼が日本を黄金の国（ジパング）と呼んだことをミックスさせて、5月上旬の連休を「ゴールデン・ウィーク」に決めたという話でした。 　13世紀に生きたマルコ・ポーロが近代日本の暦に関わってくるなんて、ちょっと無理がありすぎな話のようにも思いますが（苦笑）。 　映画PRか、はたまたマルコ・ポーロか。 　今回これを書くに当たって、真偽の程を確かめようと幾つかの文献に当たってみましたが、残念ながら「この説が正しい！」という確証を得ることは出来ませんでした。 　私自身は映画PR説に一票を投じますが、でもまあ、どちらにしても面白い話ではありますよネ。 　さて、そのゴールデン・ウィークに先駆けまして、今週の私は長野市内にある浄土宗の古刹・静松寺で「お釈迦さまのお顔」と題した法話をして参りました。 　今回は100人ほどの熱心な檀家さんを前に、釈迦族のルーツが世界最古の遊牧騎馬民族にあることや、ヒマラヤ地方に伝わる「ノアの箱舟」と瓜ふたつの洪水伝説など、お釈迦さまが生きたヒマラヤをテーマにお話してきました。 　お寺の境内では、例年に比べて開花が遅れていたという枝垂桜がちょうど満開。 　今年は私、いったい何回お花見をしたことでしょうか。ああ眼福、眼福（笑）。 　長野から東京に戻ったあとは、日本文化デザインフォーラム（JIDF）の年次総会や、ダライ・ラマ法王日本代表部との仕事の打ち合わせなどミーティングが続きましたが、昨日になってようやく取れたフリータイム。 　このところ多忙続きでしたので、昨日は思いきりゆったりと趣味の世界に走ってまいりました。 　まずは六本木ヒルズ52Ｆの森アーツセンターギャラリーで開催中のダ・ヴィンチ・コード展（The Da Vinci Code Museum）をじっくり堪能。 　この展覧会、『ダ・ヴィンチ・コード』ファンなら必見モノですよ（ただし、この本を読んだことのない人には理解不能な展示内容かも知れませんが……）。 　かく言う私も数年前からダン・ブラウンの大ファンで、日本語版が出版される前から原書（英語）で読んでいましたが、その私から見ても、今回の展覧会はダン・ブラウン独自の世界観をかなり忠実に再現しているように思いました。 　なかでも圧巻は、実物大に再現された「最後の晩餐」（ダ・ヴィンチ作）の大壁画です。 　横8.8メートル×縦4.6メートルの超高精度デジタル・シアターは、まさに迫力満点。 　ネタバレを避けるため詳しいことは書きませんが、小説『ダ・ヴィンチ・コード』の中で指摘された「キリストの右側に座っている使徒の謎」や「V字の謎」などを、怖いほどリアルに垣間見ることができました。 　この展覧会、ゆっくり時間をかけて思索しながら見なければ理解できない内容になっていますので、見にいらっしゃる場合は連休中など混雑しそうな日をなるべく避け、空いていそうな時間帯にお出かけになることをオススメします（もちろん、その前にまずは原作を読むことが必須です）。 　ちなみに私の場合は平日の夕方、閉館直前の夕食時を狙って出かけました。そのせいか、館内は空いていましたよ。 　さてさて。展覧会を見たあとは、お友達の太田倫子さんと合流。今年2月に西麻布にオープンしたばかりの話題のスポット、ABSOLUT ICE BARへと繰り出しました。 　ここはスウェーデン北極圏に流れるトルネ川から切り出した氷で造られたバーで、なんと壁も氷、テーブルも椅子も氷、さらにはお酒を入れてくれるグラスも氷で出来ているという、まさに何から何まで氷の世界。ただし、フロアだけは普通の素材で出来ていましたが（フロアが氷じゃ歩けませんものネ（笑））。 　室温はマイナス5℃に保たれており、なかに入る際は必ず防寒着を着用。入場制限時間は45分間でした。お客だけでなく、ここではスタッフも45分交代勤務だそうです。 　なお、一度に入れる定員は50人限定（それ以上の人を入れると室温が上がってしまうから）だそうですので、必ず予約を入れてから行きましょうネ。 　料金（1人3,500円）には、レンタル防寒用ケープ（手袋つき）、氷のグラス、ウォッカベースのカクテル1杯が含まれています。 　ちなみに、氷のバーからほろ酔い気分で帰宅した私に向かって、理系に強い息子のNASAが発した一言は、 「なるほど。アルコールの凝固点が水より遥かに低いために、そういうバーが実現できたわけだね」 　そう言われてみれば確かに、マイナス5℃の環境では水なら凍ってしまうはずですものね。 　アルコールの凝固点（Freezing Point＝液体や気体が凝固する温度）は、アルコールの度数にマイナスを付けた数字とほぼ同じなのだそうです。つまり、アルコール度数が40度のウォッカの凝固点はマイナス40℃ぐらいということのよう。 　これだけ凝固点が低いからこそ、マイナス5℃のバーでウォッカベースのカクテルが凍ることもないわけです。 　飲み物の凝固点のことなんて考えもしなかった非理科系の私にとって、これはまさに目からウロコな指摘でありました。 　ABSOLUT ICE BARを共同経営しているのはスウェーデンにあるICE HOTELだそうです。アイスホテルは文字どおり氷で出来たホテルで、館内には結婚式や各種サービスを受けられる氷の教会もあるんですって。 　今のことろ、アイスホテルで結婚式をあげた人の半数はスウェーデン人、残りもヨーロッパの人が殆どのようですが、いずれは「氷の教会で結婚式をあげた〜い♪」という日本人ハネムーナーが殺到する予感（笑）。 　なお、今回私たちが行ったABSOLUT ICE BARと同系列の氷のバーは、ストックホルムをはじめ、ロンドン、ミラノなど世界中の大都市にもあるそうです。 　実はシドニーに留学中の娘のLiAが、少し前に現地のアイスバー（経営はABSOLUT ICE BARとは別の会社）へ行ったらしいのですが、彼女の報告によれば、シドニーのアイスバーの入場制限時間は30分だったとか。 　これってやっぱりオーストラリア人のほうが寒さに弱いから？ 　シドニーの人たちより15分も余計に楽しめたと知り、ちょっとトクした気分の私なのでありました（うふふ）。 　なお、当日の娘の日記（シドニーで「マイナス5℃」！）はこちらからお読みいただけます。併せてご笑覧くださいマセ。 　ではでは♪ 　 　事事如意 　　　　　2006年4月29日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年4月23日号(第216号) そこにそれが在るから（Because it is there.） 　またしても連日のようにミーティングが続き、東へ西へと走り回っているうちに、気がつけば1週間が終わっておりました。この1週間でこなした主な仕事はと言えば、 　　　＊＊＊ （1）出版社（複数）との打ち合わせ。 　種類がまるで異なる2本の原稿を、同時進行で書き進めております。 　いずれも過去に書いたことのないタイプの原稿だけに、机に向かっていてもフレッシュな気分。 （2）来年の夏に開催が予定されるインド関係のイベントの準備。 　2007年は日印交流年です。そのための準備が始まり、このところ何かと忙しくなって参りました。 （3）某テレビ局と番組制作の打ち合わせ。 　やはりインドがらみで、ちょっと面白い番組の企画が進んでおります。オンエアは今年7月になる予定。詳細は近日中に発表しますので、しばしお待ちを。 （4）ダライ･ラマ法王日本代表部と仕事の打ち合わせ。 　こちらの内容に関しましても、近々詳細を発表いたします。今日のところは、まだオフレコでごめんなさい。 　　　＊＊＊ 　……といった仕事に加え、お茶のお稽古や食事会など相変わらず出歩く機会が多く、おとなしく書斎の机に向かっている時間が極めて少ないこの1週間でした。 　さらに、そのうえに、来月は急遽ロンドンへ行くことになりそうです。 　今回の訪英は、「一に会合、二に会合、三四がなくて五にまた会合」という具合に、いささかワーカホリックなものになりそうなのですが、そうは言ってもロンドンだけのことはあって、「会合」が行なわれる場所の選び方がなかなかオシャレ。 　たとえば、かのダイアナ妃も通われたと評判のスローン・クラブ（The Sloane Club）でのブラックタイ･パーティーや、テート・ブリテン（Tate Britain）で開催される大きな展覧会のオープニング・パーティーが「会合」の場になるようなのです。 　ちなみにスローン・クラブのある「スローン･ストリート」は、ロンドンのアッパークラスの人々が集う場所として有名で、ここに徘徊する人々は、かつてはスローン・レンジャーと呼ばれたようですネ。 　独身時代のダイアナ妃もその一人だったようですが、これはかなり有名な話なので、ここに書くまでもなく皆さんよくご存知かも知れません。 　そんなこんなで、今日は朝早くから桐箪笥の引き出しをすべてひっくり返し、ロンドンへ持って行く着物と帯を選定しておりました（笑）。 　海外で着るには、少し派手すぎるぐらいカラフルな着物のほうがいいと思い、それらしいものを引っ張り出して並べて見ていたのですが、ワタクシ、意外にも着物に関しては渋好み（？）のため、派手な着物はほとんど持っていないという驚愕の事実。 　今回は、金糸銀糸の織り込まれた帯や、鳥獣戯画のモチーフが入った紬のハンドバッグ、風神雷神が刺繍された半襟などの小物で、ジャパネスク・ムードを演出してみたいと思います。 　ところで話は変わりますが、先週の『週刊マミ自身』で「この次にビッグウェイブが来たら、その波をつかまえ、人生の転機に乗る覚悟ですよ」と書いたところ、ある読者さんから、「真美さんは常に狩人というか、チャレンジャーですね」というメールを頂きました。 　言われてみれば、確かにそうかも知れません。チャレンジャー。ええ、自分でもそう思います。 　以前も書いたかも知れませんが、英語に“I wanna be challenged.”という表現があります。 　直訳すると「私は挑戦されたい」という意味になりますが、超訳すればこれは「どこからでもかかって来い」というニュアンスの言い回し。 　これぞまさしく、私の日頃の気持ちを代弁してくれている言葉なのですが、日本語にこれと類似する表現方法が見当たらないのは、日本人のなかに“I wanna be challenged.”という発想が希薄だからなのでしょう、たぶん。 　もっとも、たとえ私がチャレンジャーだとしても、それは「意識して」やっていることではなく、性（さが）と申しますか、生まれつきの性分なのですが。 　去年の暮れぐらいからでしょうか、私は「今の自分のままではイヤだ」「今の自分を変えたい。変わりたい」と、それまで以上に強く望むようになりました。 　また、自分を変えるためにさまざまな努力もしてみました。 　こう書くと、「真美さんは、よほど現状に不満があるのですか？」と思われてしまうかも知れませんが、決してそういうことではないんです。 　強いて言えば、「あなたは何故エヴェレストに登るのか（Why climb Everest?）」と問われて、 「そこに山が在るから（Because it is there.）」 と答えた登山家ジョージ・マロリーの気持ちに通じるものが、私の中にはあるのかも知れません。 　典型的な農耕民族である日本人にとって、変化は恐怖であり、「いつまでも変わらずにいたい」「波風立てずに平穏無事に暮らしたい」と願う気持ちが何よりも強いものと思われます。 　そのなかで、「変化」を大歓迎し、「変化がないと死にそうに退屈」と思うような人（たとえば私）は、日本社会では間違いなくマイノリティーでしょう。 　“A rolling stone gathers no moss.”（転石苔むさず）という諺の意味を、 「石は転がっていないと苔むしてしまう。だから、人も一箇所に留まっていてはいけない」 と解釈する諸外国の人々と、 「転がる石に苔が生えることはない。だから、人は一箇所に安定しなくてはいけない」 と解釈する日本人との間にある、決定的な価値観の違い。 　突拍子もないことを言うと笑われてしまうかも知れませんが、私、ときどきふっと思うんですよ。（自分の中にはアグレッシブな騎馬民族の血でも流れているんじゃないか）って。 　家族の分析によれば、私の中に流れている血は騎馬民族70％、遊牧民族5％、農耕民族5％、宇宙人20％ぐらいのブレンド具合らしいのですが、まあ、この分析はあながち当たっていなくもないような気がします（笑）。 　過去数十年の日本では、騎馬民族的パーソナリティーはあまり珍重されませんでしたが、これからは事情が少し違ってくるかも知れませんよ。 　あらゆる点で大きく二極化が進むこれからの時代には、激しい変化を物ともせず、異文化の中へも果敢に飛び込んで行って世界のトップと平気で渡り合える日本人が、もっともっと必要とされますからネ。 　こうなったら騎馬民族養成塾でも始めようかしら。というのはもちろん冗談ですが（笑）、あ、それでひとつ思い出したことがあります。 　実は近いうちに「英会話限定バー・マミリン」（仮称）という名の英会話クラブ（英語よりもむしろ飲み会が主目的？）を開催しようと計画しているんですよ（これは本当）。 　このクラブ、簡単に言ってしまえば「英語で情報交換し、お酒を飲み、楽しく親睦を深める会」なのですが、既に20代の優秀な理系の男性たち（全員バイリンガル〜マルチリンガル）数名が参加申し込みを表明してくれています。 　さっそく5月末頃に実験的に「第一回 英会話限定バー・マミリン」を開催してみて、うまく軌道に乗りそうなら、たとえば2ヶ月に一度ぐらいの定例会にしようかなと考えています。 　そのときはこのページでも告知しますから、やる気のあるかたは是非とも申し込んでくださいマセ。 　明日・明後日は、（講演会のため）長野に里帰りして参ります。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年4月23日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年4月16日号(第215号) ビッグウェイブ （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） ※講演会のお知らせ テーマ：「お釈迦様のお顔」 来る4月25日（火曜日）の午後1時より、長野市茂菅の古刹・静松寺にて、御忌（浄土宗の開祖・法然上人の入滅日）の基調講演をさせて頂きます。今回は、どなた様にも分かりやすいよう、「お釈迦様のお顔」についてお話させて頂きます。お釈迦様は、今から約2500年前の北インド（現在のネパール）に実在した宗教家で、仏教の開祖でいらっしゃいます。しかし、そのお顔立ちがどんなであったかは、意外にもはっきりとは知られておりません。今回は、お釈迦様がアーリア系民族の血を引いていた可能性を示唆しながら、当時のインドの様子やヒマラヤの風土、さらにシャキャ（釈迦）族の意味などについてお話します。同寺関係者・檀家の皆さまは、この機会に是非ともご参集くださいませ。 　このところ私の周辺では、毎日のように驚くほど多くの新しい出来事が起こっています。 　もう少し具体的に申しますと、ほぼ毎日のように知らない人から連絡があり、新しい仕事のオファーを頂くのですが、その多くが、これまでの自分の人生になかった新鮮なお話ばかり。 「今、私は、人生の大きな分岐点に立っているのだな」 という実感が、自分のなかで日々広がってゆくのを感じます。 　それだけでなく、今のこの気持ちを数年後に振り返り、「やはり2006年の4月の時点で感じたことは正しかったのだ」と思っている数年後の自分が、今から見える気さえするのです。 　別の言い方をすると、数年後の自分の立ち位置が、この1週間でハッキリと見えてきたと申しますか。 　そんなわけで今の私は、浜辺にすわり、じっと沖を見つめるサーファーの気分。 　この次にビッグウェイブが来たら、その波をつかまえ、人生の転機に乗る覚悟ですよ。 　人生がうまく行くかどうかは、良い波に乗れるか乗れないかで決まってしまう。臆病すぎてもいけないし、勇み足でもダメ。大切なのは、要はタイミングではないでしょうか。 　だからこそ、「人生」という名の海に立つ波の様子をいつも知っていることが、とても大切だと思うのです。 　もちろん、良い波を引き寄せるためには様々な努力をすることが必要ですが。何もしない場所では、波そのものが立ちませんから、ネ。そんなことを思う今日この頃なのでありました。 　……とまあ、のっけから訳のわからない独り言でスタートした今日の「週刊マミ自身」ですが（苦笑）、先週も私の周辺では、本当に色々なことがありました。簡単に箇条書きにいたしますと、 ＊ダライ･ラマ法王日本代表部のチョペ・ツェリン所長、映画監督の龍村仁さんらと某仕事の初顔合わせミーティング。 ＊某フランス人と出版関係の打ち合わせ（詳細は今しばらくヒミツ）。 ＊建築家黒川紀章先生のお誕生日パーティー＠中目黒の隠れ家風レストラン。 （出席者は、国連ハビット親善大使のマリ・クリスティーヌさん、クリームインターナショナル代表の石坂邦子さん、女優の蜷川有紀さん、舞踊研究家の芳賀直子さん、クリエイティブディレクターの榎本了壱さん、建築家の團紀彦さん、東大教授の原島博さん、私） ＊インド関係の某重要ミーティングに出席（詳細は今しばらくヒミツ）。 ＊某出版社との仕事の打ち合わせ（詳細は今しばらくヒミツ）。 　……なにやら「某」「ヒミツ」の多い女スパイそのものな1週間だったわけですが（笑）、お蔭さまでとても充実した毎日でした。 　昨日（15日）は、MIA（東京都港区国際交流協会）の主催による講演会“Let's Rediscover Japan Lecture”（日本再発見レクチャー）の講師として、2時間にわたってカウラ事件のお話をして参りました。 　今回は使用言語が英語のみ（通訳なし）ということもあって、会場は、さまざまな分野でご活躍中のバイリンガルの皆さんで一杯。 　MIA会員の皆さまをはじめ、日豪文化交流協会のディレクターや、日本アルゼンチン協会の理事、ジャパンタイムズのコラムニストなど、国際経験豊かな皆さまが聴講に来てくださり、お蔭さまでたいへん有意義な会となりました。 　この場をお借りしまして、関係者の皆さまに心より深謝申し上げます。 　実は、今回の講演会場で、私は古い友達と夢のような再会を果たしました。 　長い空白の時間を破って突然現われてくれたその人は、なんと高校時代に一緒にシェイクスピア劇をやっていた仲間のテルミちゃん！ 　私のプロフィールに掲載している写真にも写っている女性です。 　それにしても、まるでタイムマシンから登場するような唐突さで講演会場に姿を現わしたテルミちゃんは、驚いたことに高校時代とほとんど変わらぬ若々しさのまま。 　一挙に脳内が女子高生モード（爆）に戻ってしまった私たちは、黄色い声で「キャ〜！」と叫びながらひしと抱き合い、心ゆくまで再会を喜び合ったのでした。 　そう言えば、高校からの帰り道、テルミちゃんとふたりでソフトクリームやホットドッグを買い食いしながら交わした会話は、今も昨日のことのようによく覚えています。 「これからの時代は、何が何でも英語よネ」 「私もそう思う。どんなことがあっても、お互い絶対に頑張ろう！」 　高校時代に励まし合い、檄を飛ばし合った友達とこんな素晴らしい再会を果たせるなんて、私は本当に幸せ者だなと思います。 　テルミちゃんのおうちでもお子さんを早くからバイリンガルに育てていることは年賀状で読んで知っていましたが、聞けば息子さんはこの8月からアメリカの一流大学に入学なさるそう。 「子育ても一段落したことだし、これからは頻繁に会おうネ」と約束した私たちなのでした。 　素晴らしい出逢いもあったことだし、未来に向けて明日からますます頑張るゾ〜（最後はほとんど女子高生のノリ（笑））。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年4月16日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年4月9日号(第214号) にぎやかに春たけなわ （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　先週は、ほとんど毎日のように重要な仕事のミーティングと、これまた重要なパーティーが続き、しかも明日は原稿の締め切り。なかなか落ち着いて「週刊マミ自身」を更新している時間がありません。 　そんなわけで誠に申し訳ありませんが、今週は行動内容のメモ＋写真だけをズラズラ並べた日記です。何卒ご容赦ください。 □□□4月3日（月）□□□ インド大使館恒例の観桜パーティー。 大使館のすぐ目の前にある千鳥が淵は、満開の桜もさることながら、それを見るために集まってきた人間の数のほうが、そりゃあもう凄まじいものでした。 □□□4月4日（火）□□□ 【午前】 お茶のお稽古（前の週の土曜日に出席できなかった分の振替）。 【午後】 インド関係の某重要ミーティング。 【夕刻】 編集者の芝田暁さんと恒例のお花見。 □□□4月5日（水）□□□ インド関係の某重要ミーティング。 □□□4月6日（木）□□□ 【午後】 インド関係の某重要ミーティング。 【夕刻】 女友達数人と一緒にセブンヒルズの主催による「桜の宴」パーティーに出席。 □□□4月7日（金）□□□ 家で執筆。 □□□4月8日（土）□□□ 英国の大学から一時帰国中のジュンスケさん（本名・坂根淳助氏）指導による化粧品の手作り教室。 　私以外の参加者は、犬（ケン）ちゃんとまるちゃん。ふたりとも20代の可愛い女性です。 　今回は化粧水とハンドクリームづくりにチャレンジしました。防腐剤などは、もちろん無添加ですよ。 □□□4月9日（日）□□□ 【午後】 鳩山会館にて、「百花繚乱の会」という名の観桜会。 【夕刻】 東京都台東区の浅草ビューホテルにて、マンリーからの訪問団を歓迎するパーティー（台東区国際交流委員会主催）に出席。 　ちなみにマンリー（Manly）とは、オーストラリアのシドニー郊外にある街の名前です。美しいビーチで有名で、台東区にとっては25年来の姉妹都市。 　私自身にとっては、昔からの友達がたくさんいる懐かしい場所でもあります。 　……とまあ、先週も忙しい1週間でした。 　インド関係の重要ミーティングが始まったため、これからさらに忙しくなる見込みなのですが、どんなに忙しくても、せめて写真日記だけは毎週更新したいと思っています。 　なお、このページのトップで前から告知しておりますとおり、今週の土曜日（15日）にカウラ事件に関する講演会（英語）を催します。 　同事件に関心があり、また英語による全員参加の討論や質疑応答に参加可能な方は、主催者（MIA）にお申し込みのうえお気軽にご参集ください。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年4月9日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年4月3日号(第213号) 満開の桜をハシゴする （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　先週は、文字どおり桜づくしの1週間でした。 　「これまでの人生で見た桜をすべて合わせた数よりも、さらにたくさんの桜を見た」と言っても過言ではないほど、それはもうおびただしい数の桜をハシゴしておりました。 　事の発端は、芸術の都サンクト・ペテルズブルグからやって来たロシア人の女友達イリナが発した、次の一言です。 「ねえ、マミ。せっかくこうして生まれて初めて東京へ来ることが出来たんだから、私、桜を片っ端から見て歩きたいわ」 　外国から遊びに来た友達が、日本の桜を見たがっている。それだけなら、よくある話でしょう。 　そんな場合、普通ならそのへんの公園へ行き、タコ焼きなど頬張りながら小一時間も散歩をすれば、きっと満足してもらえたはず。 　しかしイリナの場合に限っては、そうは問屋が卸しませんでした。 　何故ならば、彼女イリナは、いいえ、イリナ・サフロノーヴァ女史は、ロシア国立コマロフ植物研究所の教授。そう。彼女はロシアの高名な植物学者なのですから。 　つまり、彼女が言うところの「私、桜を片っ端から見て歩きたいわ」の本当の意味は、 「東京に来られるチャンスなんて滅多にないし、この際だから日本の桜を徹底的に観察したいわ。私は日本語が喋れないし、当然マミも付き合ってくれるわよねえ？」 という意味に他ならなかったのです。 　かくして、偉大なる植物学者の通訳ガイドを仰せつかった私は、東京中の桜の名所を徹底的に歩き回ることになったのでありました……。 　浅草寺、上野公園、皇居を皮切りに、私たちはそれこそ東京の至るところで桜の観察をしたのですが、途中で歩き疲れ、カメラをバッグの奥底に仕舞い込んでしまったので、写真はこれしかありません。悪しからず。 　それにしても、今回、植物学者の「お花見」に付き合ってみて初めて実感したのですが、一言で「桜」と言っても実にたくさんの種類があるのですね！ 　白からピンクまでの色彩のバリエーションにも驚かされましたし、幹や枝の形にも色々あることとか、意外に厚ぼったい花びらの感じ、「匂いたつ」という表現がぴったりの甘酸っぱい香りなど、どれも今までの人生で見逃していたものばかりで、 （ああ、桜ってこんなにも奥が深い花だったのね） と再確認いたしました。 　もしかしたら、それぐらいのことは日本人の常識として知っていなければいけなかったのかも知れませんが、なにしろ私と来た日には、菖蒲（ショウブ）とアヤメと杜若（カキツバタ）とアイリスの違いさえ未だによくわからない植物音痴なのです。 （もっとも、「いずれアヤメかカキツバタ」という日本語があるぐらいですから、このあたりの違いがわからないで困っているのは、私だけではなさそうですが） 　そういう植物音痴の人間が、植物学者とお花見なんかするものじゃありませんね（苦笑）。 　イリナと来たら、これはと思う桜の姿がチラッとでも見えたが最後、たとえ行く手を断崖絶壁が阻んでいようが、錆びた鉄条網が何重にもバリケードを築いていようが、棘だらけの植物が群生していようが、目標物めがけて一直線。 　そして、花の前にたどり着くと、それはもう長い時間をかけて丁寧に1本1本の木を観察するのです。まるで恋人を前にした女学生のように、繊細かつ大胆に。 　イリナ自身は中肉中背なのですが、手はと見ると、肉がグローブのように厚く、擦り傷・切り傷だらけで、まさに長年働いた労働者の手をしています。植物を研究するということは、こういう手になることなんだと、しみじみ感動させられる手です。 　私自身も「観察」や「研究」は大好きですが、研究対象として興味があるのは「文化」「言語」「宗教」「神話」といった人間の精神活動に関わるものが主で、相手が人間以外のもの（動植物など）となると、どうにも感情移入がしづらく、文化や言語にのめり込むようには夢中になれません。 　桜の観察に夢中になるイリナの横顔を眺めながら、（私はとても植物学者にはなれない）と思うと同時に、そう言えば20年数前にも、これと全く同じ理由から（自分は海洋学者には向いていない）と悟ったことを思い出し、思わずひとり苦笑しておりました。 　ちなみに、イリナと私が初めて出逢ったのは、今から6年前の西暦2000年。日本で開催された国際植生学会のオープニング・パーティーの席上でした。 　その当時、私はまだニューデリーに住んでいたのですが、たまたま日本への一時期帰国中にこの学会が開かれ、会議の通訳を頼まれたのです。で、このときに私が担当した学者さんのひとりが、イリナ・サフロノーヴァ教授だったというわけです。 　植物地理学（Botanical Geography）を専門とする彼女はこのとき、塩田の拡大による植生被害など、環境学的見地から見ても非常に興味深いお話をなさいました。 　この学会ですっかり意気投合した私たちは、その後はメル友として連絡を取り合い、現在に至っているというわけなのです。 　今回の彼女の来日は、新潟県で行なわれた大きなシンポジウムに参加するためで、東京へは私に会うためだけに足を伸ばしてくれた…はず…なのですが、実際には「桜観察のための上京」と言ったほうが妥当だったかも知れませんネ（笑）。 　彼女と一緒に東京の桜を見てまわり、私も色々と感じたことがありますので、その感想を下に書き留めておきます。 　もちろん、これらはあくまでも私の個人的感想に過ぎません。特に�@に関しては、植物学的には間違っているのかも知れませんが、その場合も責任は負えませんので悪しからずご了承ください（笑）。 　　　- - - - - - - - - - 【感想その�@】 東京で最も「良い桜」は皇居の敷地内にある。 　同じ桜でも、皇居の桜は、よそと比べて咲きっぷりがまるで違うように感じました。やはり、もともとの品種が良いうえに、お手入れも抜群に行き届いているせいでしょう。 　警備体制も整っていて、おまわりさんがパトカーおよび自転車で常時パトロール。芝生に入るような不届き者がいると即座に近づいて、優しい言葉づかいで注意していました。 【感想その�A】 桜を見ていると「もう、いつ死んでもいい」という気分になってくる。 　桜が「死」を連想させる花であるということは、日本では昔からたびたび言われてきたことですが、今回色々な場所で桜を眺めていて、その気分が少し理解できたような気がします。 　もちろん、桜を見ていたら実際に死にたくなったというような危険な意味では全然ないのですが（笑）、桜が持つ一種独特の危うさ・儚さに酔ったとでも言いましょうか。 　気分としては、西行法師の「願わくば花の下にて春死なむ　その如月の望月のころ」の心境が理解できたということかも知れません。 　そう言えば、以前どこかで「桜の根元には死体が埋められている」というエピソードを聞いたことがあるのですが、あれはどこかの国の民話か何かなのでしょうか？　ご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ともお教えください。 　　　- - - - - - - - - - 　さて、イリナがロシアへ帰ってしまったあと、先週はもうひとつお花見をして参りました。 　今度のロケーションは、それまでとは打って変わって東京大学の本郷キャンパスです。 　参加メンバーは、CGアーティストで東大教授の河口洋一郎さん（今回のお花見の主催者）、同じく東大教授の原島博さん、女優の蜷川有紀さん、フランス人作家のオリビエ･ゴーランさん、東大大学院の学生さんなど、総勢15人ほど。 　こちらのお花見は、実際の桜もさることながら、参加者の皆さんが花のように華やかな人ばかりで、今回はもっぱら会話に花を咲かせて参りました。 　河口洋一郎さんとお目にかかるのは、今回でまだ2度目だったのですが、この方は飄々としていて実に面白い方で、人類が太古の昔に置き忘れてきたDNAをしっかりと受け継いでいるような、現代人に欠乏している野生の力に溢れた不思議な先生です。 　これを機会に、いいお友達になれそうな予感。 　そして、実はこの夜は私たちにとって岡本敏子さん（岡本太郎さんの養女）の一周忌でもあったのです。 　岡本敏子さんは、お花見に出席した全員にとっての共通の友達ですが、今からちょうど1年前のこの季節、突然に、それこそ本当に何の前触れもなく、この世を去ってしまわれました。 　今回のお花見は、敏子さんがニコニコ笑っている写真を桜の下（いちばん咲きっぷりの良い枝の真下）に掲げ、まるで敏子さんがそこにいるような雰囲気いっぱいの宴となりました。 　人は誰もいつかは死んでいきますが、亡くなったあともこうして桜の下に集まり、ワイワイ賑やかに笑いながら楽しかった故人の思い出を語れる仲間がいるということは、本当に幸せなことです。 　今日はこれからインド大使館のお花見にお呼ばれして参ります。 　東京はかなり風が強いので、千鳥が淵の桜はすっかり散ってしまったのではないかと、やや心配ではあるのですが……。 　久々に本格的な激辛インド料理を食べて、身体の芯からヒートアップしてこようと思っています（笑）。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年4月3日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年3月26日号(第212号) まだまだ努力が足りない！（自分への言葉） 　先週の木曜日、18年来の友人でデザイナーの白浜利司子さんのファッションショーが明治神宮外苑の特設テントで催されました。 　利司子さんはAlmond Eyeのチーフデザイナーで、1984年からはRITSUKO SHIRAHAMAブランドを立ち上げ、東京コレクションやパリのプレタポルテ展など国内外で幅広く活躍する女性デザイナーさん。 　つい10日ほど前には、日本のデザイン界を代表して小泉首相と安倍官房長官を相手に「ファッションの経済効果」を熱くプレゼンする利司子さんの姿が広くマスコミ報道されましたから、ご覧になった方も多いのではないかと思います。 　利司子さんのショーは、毎年2回、春と秋に行なわれます。 　ご存知のように、ファッション界は「春・夏コレクション(Spring/Summer Collection)」と、「秋・冬コレクション（Autumn/Winter Collection）」の2つの流れによって1年が構成されており、今回行なわれたショーは「2006-07秋・冬コレクション」というわけです。 　この手のショーにはあまり縁がないという方のために、簡単に説明させていただきますと、多くの場合、ショーの会場は細長い通路（モデルさんが歩くところ）に沿って両側にズラリと椅子が並べられており、お客さんはこの椅子に座ってショーを鑑賞します。 　細長い通路の、一方の端はモデルさんの出入り口。反対側の先にはカメラマンが大勢構えていて、モデルさんが近くへ来るたびに一斉にシャッター音が響きます。 　モデルさんは出入り口から出て、通路の反対側までしゃなりしゃなりとモデル歩きをしたあと、カメラマンの前でポーズ。そのあとくるりと踵（きびす）を返して、もと来た通路を戻って同じ出口から出て行くのです。 　モデルさんはそのあと楽屋で次の衣裳に着替え、1〜2分後には再び涼しい顔で登場するわけですが、たった数人〜10人ほどしかいないモデルさんが入れ替わり立ち代わりこの作業を繰り返すのですから、楽屋はまさに戦場らしいですよ。 　客席は、大体3列か4列ぐらいになっていまして、最前列（つまりモデルさんが通る通路のすぐ近くの席）は、多くの場合、招待席になっていることが多いように思います。オシャレな芸能人やファッションジャーナリストの方々を、最前列でよく見かけます。 　今回のショーでは、私も最前列に座ることがわかっていましたから、いつ誰から見られても恥ずかしくない（＝すなわち利司子さんに恥をかかせない）ファッションに身を包んで出席したことは言うまでもありません。 　ちなみに、ファッションショーに招かれた場合、いちばん理想的なのはそのデザイナーさんの作品を身に付けて行くことです。それが無理な場合は、あまりデコラティブでない、黒っぽいシンプルなドレスかな。 　誰か別の有名デザイナーの作品であることが一目でわかるような服装で出かけるのは、明らかなマナー違反です。 　以前、某日本人デザイナーのショーに招かれた○○県知事が、全身コテコテのアルマーニでやって来て大顰蹙を買っていましたが、ああいうデリカシーの欠如、間違った自己主張は、少なくともオトナの態度ではありませんよネ。 　まあ、その話は置いといて（笑）。 　今回のショーで私は、友人の鳥居晴美さん（子供地球基金代表でユニダ・インターナショナルスクール校長）と並んで座り、利司子さんの秋・冬コレクションを堪能させて頂きました。 　利司子さんのショーを見るのは、ちょうど半年ぶりです。もう何回も何十回も見て、見慣れているはずの彼女のショーであったにもかかわらず、今回に限って、何故か私はこれまでに感じたことのない大きな衝撃のようなものを受けていました。 　鳥肌が立つというか、身震いするというか。 　ごく簡単に言ってしまうと、「白浜利司子って、スゴイな」という気持ち。 　桜の頃と紅葉の頃、毎年決まった季節に新しいお洋服を発表し、その都度、何百人という人を集めてショーを開催しなければならないデザイナーというお仕事を、利司子さんを通して垣間見るたび、私はいつだって、 「半年ごとにこれだけ大がかりなファッションショーを企画して、それを毎年継続しなければならないなんて、デザイナーとして成功し続けるって何て大変なことかしら！」 と感心し続けてきましたが、今回のショーを見ているあいだに、これまで私が感じてきた「感心」が、「驚嘆」そして「感動」へと一気に変わって行ったのかも知れません。 　だって、考えてもみてください。彼女の場合は1984年から22年間ずっとそのローテーションで生活を続け、しかも勝ち続けていらっしゃるわけです。 　4年や5年なら、「好きだから」という理由だけで続けることが出来るかも知れませんが、22年間も勝負し続けるって、これは物凄いことではないでしょうか。 　隣に座っていた晴美さんも、奇しくも同じようなことを感じていたのかも知れません。 　ショーが終わるなり、晴美さんがぽつりと漏らした一言は、「彼女はスゴイ。彼女は、実は物凄い努力の人だったのね」でした。 　「努力」とか「根性」なんて言葉は、今ではもう流行らないのかも知れませんが、私は晴美さんが何気なく漏らした「努力」という言葉に虚を突かれ、鋭い刃物でグサリと心臓を一突きされたように感じていました。ここ暫く耳にしたことのない、美しい日本語だという気さえしました。 　そして、こうも思いました。努力に勝る人生の武器が、ほかにあるだろうか？と。 　利司子さんは、私がインドに住んでいた時期にニューデリーへ遊びに来てくれたのですが、そのときだって連日のように現地のファブリック工場を見学したり、繊維関係の専門家に会ったりしていました。 　旅先においてさえ、彼女はまるで求道者のようにストイックで、どこまでも真剣だったのです。 　努力という点では、一流のファッションモデルさんたちも同様ですよネ。「優雅に見える白鳥も、水面下では懸命に水かきをかいている」の喩えどおり、美しく着飾ったモデルさんも、あれだけのスリム体形を維持したり、美しい歩き方を修得するためには、日々大きな努力をしていることでしょうから。 　利司子さんのショーを通じて、何か大きなパワーと勇気をもらった春の1日でした。 　そして、（私もまだまだ努力が足りない。今の2倍、いや10倍の努力をしなくては）と、自分自身に強く言い聞かせた次第です。 「偉大な人々によって達成されて維持された高みは、突然の飛翔によって達成されたものではない。彼らは仲間が眠っているあいだ、夜もコツコツと努力をしていたのである」（アメリカの詩人、ロングフェローの言葉より） 　ではでは♪ ※今週は、水曜日に東大の先生たちと「お花見」をし、翌朝から信州の山小屋へフキノトウ狩りに行って参りますので、次の「週刊マミ自身」更新は4月2日（日）の夜遅くを予定しております。 　事事如意 　　　　　2006年3月26日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年3月19日号(第211号) ハイスクールの選択科目 　この8月からインターナショナルスクールの10年生（ハイスクール2年目）に進学予定の息子が、「これにサインしてくれる？」と言いながら、1枚の紙を持ってやって来ました。 　渡された紙には、彼が8月から選択する予定の教科がズラリと記され、その横には、それぞれの担当教諭のサインが並んでいます。そこへさらに親の承認サインが必要だというので、息子は私のサインを貰いに来たわけなのでした。 　息子いわく、 「希望する科目が本人の能力に合ったレベルでない限り、先生のサインは貰えないんだよ」 　同様に親の承認サインがない場合も、その科目は履修できないとのこと。 　日本の高校事情というものを、私はよく知らないのですが、少なくともインターでは「生徒・教師・両親」が三位一体で教育に臨むことが大原則です。つまり、親は子どもが学校で学んでいるカリキュラムを完全に把握しているということ。 　ちなみに、自分自身が高校生だった当時のことを思い出してみますと、私は「英語の授業時間が多い上に、数学や理科を殆ど履修せずに済むから」という安易な理由で私立文系コースを選択していましたが、そうやって選んだカリキュラムの内容を親に話したこともありませんでしたし、成績表を見せたことすら3年間で一度もなかったように記憶しています。 　また、親から「成績表を見せなさい」と要求されたことも一度だってなかったのですから、今から思えば、なんといいかげんな親子関係でしょうか（苦笑）。 　これまでにも何度かこのページに書いたように思いますが、私の高校時代は、文字通り部活と生徒会活動に明け暮れ、いわゆる「勉強」というものを全くしませんでしたし、塾やゼミのような勉強もやっていませんでしたし、家では教科書さえ開きませんでした。 　通っていたのは長野県で最も歴史ある女子の進学校（当時）でしたが、複数の先生をして、「キミほど勉強しない生徒は、うちの学校が創設されて以来おそらく初めて」と言わしめたほどの筋金入りの勉強嫌いでしたから、親が成績表を見ようとしなかったのも、当然と言えば当然でしょうが。 　あの頃、「勉強しろ」とも「塾に行け」とも「いとこのM君は現役で東大に合格したのに貴女はどうして勉強しないの」とも決して言わなかった母の偉大さ＋いい加減さに、今では心から感謝しておりますが、それにしても母は、子どもの将来というものを一体どのように考えていたのでしょうネ（自分の子どもがあんなふうだったら、私ならもっと心配すると思うのですが（苦笑））。 　すみません。例によって話が脱線してしまいました。話をインターナショナルスクールに戻します。 　インターでは、選択科目の履修にも成績表にもいちいち親のサインが必要ですから、私が高校時代に経験したような事態はありえません。 　インターのハイスクールは9年生から12年生までの4年間ですが、10年生ともなると、将来的に進みたい大学の学科や難易度をふまえ、わりと専門性のある科目選択が出来るようになります。 　インターの10年生は、日本式に言うと高1。年齢は15歳です。10年生になる息子は、次の各科目を選択することになりました。 　【必須科目】 　　＊English 10（10年生の英語） 　　＊Modern World History（近代世界史） 　　＊PE10, Health（保健体育） 　【選択科目】 　　＊Accelerated Algebra II（代数　上級�U） 　　＊Biology（生物学） 　　＊Chemistry（化学） 　　＊JNL（日本語） 　ご覧のとおり「理数系に進学予定」であることが一目瞭然のコース内容ですが、それにしてもこれ、10年生にしては結構絞り込んだ選択内容ですよネ。 　日本の学校で高校1年目と言えば、音楽or美術はまだ必須だったように記憶していますが（違いましたっけ？）、息子のスケジュール表から音楽･美術が早々と消えていることには驚かされました。 　これを見ただけでも、インターでは人生の早い段階からやりたいことを極める傾向が強いのだなあと考えさせられます。 　11年生からはAP（Advanced Placement）と呼ばれる大学進学対策の専門コースが始まり、やりたいことや人生目標がハッキリしている子は、どんどん専門的な勉強を深めてゆくことが可能なシステムのようです。 　ただ、逆にこの段階で「自分が人生で何をしたいのかわからない」という子にとっては、選択肢が多すぎてかえって迷うところの多いシステムと言えるかも知れませんが。 　ちなみに息子は選択しなかった美術ですが、アートが好きな子なら次のような広い選択肢があったそうです。 　【美術の選択科目】 　　＊Art Spectrum I, II（アート全般） 　　＊Visual Communication and Design（視覚的通信・デザイン） 　　＊Computer Art and Design（コンピューターアート） 　　＊Painting（絵画） 　　＊Metal Craft（金属工芸） 　　＊Glass Art（ガラス工芸） 　　＊Life Drawing（写生） 　　＊Advanced Drawing（写生　上級） 　　＊Photography and Digital Imaging I, II 　　（写真・デジタル画像） 　　＊Ceramics（陶芸） 　　＊Advanced Ceramics（陶芸　上級） 　　＊Art History（美術史） 　　＊AP Studio Art（スタジオアート　APコース） 　ほとんど美大のカリキュラムかと見紛うほどのバラエティ豊かな選択肢ですが、やろうと思えば、こんなに細分化された専門教科が高校時代に選択できるのですネ。 　同様に数学に関しては、次のような選択肢があるそう（※このうちの「AP」は、11年生から選択可能な専門課程で、いわゆる難易度の高いアメリカの大学への進学の際にほぼ必須となるようです）。 　【数学の選択科目】 　　＊Algebra I, �U（代数） 　　＊Geometry（幾何学） 　　＊Accelerated Algebra �T, II（代数　上級） 　　＊Functions, Statistics, and Trigonometry 　　（関数・統計学・三角法） 　　＊Precalculus（微分積分学） 　　＊Introduction to Programming（プログラミング　入門） 　　＊Intermediate Programming（プログラミング　中級） 　　＊Accelerated Precalculus（微分積分学　上級） 　　＊Mathematical Concepts I （数学的概念�T） 　　＊Mathematical Concepts II （数学的概念�U） 　　＊AP Calculus AB（AP微分積分学　AB） 　　＊AP Calculus BC（AP微分積分学　BC） 　　＊AP Statistics（AP統計学） 　　＊AP Computer Science（AP情報科学） 　また、理科の選択肢は次のとおりです。 【理科の選択科目】 　　＊Astronomy（天文学） 　　＊Biology（生物学） 　　＊Chemistry（化学） 　　＊Conceptual Physics（物理学概念） 　　＊Environmental Science（環境科学） 　　＊Marine Studies（海洋学） 　　＊AP Biology（AP生物学） 　　＊AP Chemistry（AP化学） 　　＊AP Physics（AP物理学） 　高校で早くも天文学や海洋学を選択できるところが、なんともユニーク。これ以外にも、Accounting（会計学）、French（フランス語）、Spanish（スペイン語）、Writing for Publications（出版のための文章執筆）など興味深い選択科目が揃っているようで、これを見た私は、 （こういう学校に通えるなら、もう一度高校生に戻って勉強しなおしてみたいかも） と思ったほどでした（当時の私の成績では、そもそも入学できないかも知れませんが（苦笑））。 　但し、すべてのインターにこのように広い選択肢が用意されているわけではなく、首都圏にある別のインターに通っているお子さんは、息子のインターのカリキュラムを見て「米国系のインターは選択肢が広くて羨ましいなあ」と驚いていましたが。 　美術学部に進学した娘のときとは一味違った、バリバリ理系な息子のハイスクール・ライフ。「次にどんなことが起こるのかしら」とワクワクしながら、温かく見守っていきたいと思います。 　近々、数学が得意な生徒が選抜出場するインター対抗数学コンペティションにも学校代表で出場するようですので、機会がありましたら、そんな話もまた書かせて頂きますネ。 　ではでは♪ ※前号でお知らせしたTシャツお裾分けプレゼントには、多数のご応募を頂きまして誠にありがとうございました。抽選の結果、当選者はVivi様に決定いたしました。おめでとうございます。一両日中に発送いたしますので、楽しみにお待ちくださいマセ。 　事事如意 　　　　　2006年3月19日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年3月12日号(第210号) 谷中の墓地でまぼろしを探す （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　今日は、私が日頃から愛してやまない「まぼろしチャンネル」主催の面白イベントが行なわれました。 　題して「まぼろし洋品店わくわく福袋 in 月夜と眼鏡」。 　……しかし、これだけでは何のことやらサッパリわからないと思われますので、ちょっとここでご説明を。 　まぼろしチャンネルとは、古き良き昭和のエッセンスがぎっしり詰まった玉手箱のようなウェブサイトの名前です。通称は「まぼチャン」。 　このサイト、いったん足を踏み込れるとたちまち昭和の魔力に取り憑かれ、へたをすると平成の世に（心が）戻ってこられなくなる可能性大なのですが（笑）、たとえ玉手箱を開いて白髪のおじいさん／おばあさんになる危険を冒してでも探訪する価値のあるサイトですから、まだご覧になったことのない方は、この機会に是非とも探訪してみてくださいネ。 　で、その「まぼチャン」の中に「まぼろし洋品店」という名のネット洋品店がありまして、ここでは数々のオリジナルTシャツが販売されています。 　今日のイベントは、まぼろし洋品店のTシャツの福袋セールというわけ。 　実はかねてから、ここの「女スパイTシャツ」が欲しいな〜、買おうかな〜、どうしようかな〜と迷っていた私。 　今回のイベント案内が届いた瞬間、何かビビビッと運命のようなものを感じたのは、今さら言うまでもありません（何を大袈裟な（笑））。 （3月12日は特に予定もないし、谷中なら、うちからも近いし。これはもう、行くしかないわ）ということで、速攻で行って参りました。 　メルマガによれば、イベント会場は「台東区谷中（やなか）3丁目」にある月夜と眼鏡となっています。 　しかし、それが果たしてお店の名前なのかビルの名前なのか、そのへんの説明はどこにもありません。それどころか、そこが谷中3丁目の何番地何号にあるのか、きちんとした住所さえ書いてないのです。 　これはもしや「来られるものなら来てごらん」という、メルマガ読者への挑戦なのでしょうか？ 　そして、そのあとに小さく書かれた「スリーエフ右路地入ル」が、謎を解くためのヒント？ （右路地入ル？　何なの、この京都みたいな住居表示の仕方は！？） と怪しみつつも、とりあえず谷中のスリーエフ（※コンビニの名前）を目指したのでした。 　同メルマガによれば、「月夜と眼鏡」の最寄り駅はJR日暮里駅の西口となっています。 　しかし、言われたとおり日暮里駅に着いてみれば、なんのことはない、この駅には西口なんて存在しないではありませんか（大汗）。 　私　「あのー、すみません。西口ってどちらでしょうか」 　駅員さん　「えっ、西口ですかぁ？　この駅には、北口と南口しかありませんよ」 　私　「……」 　しかし、めげずに駅の北口を出た私は、そのまま谷中墓地の中を突っ切って、なんとなく怪しい匂いのする道をどこまでも歩きつづけ、野性の勘だけを頼りに、ついに「月夜と眼鏡」に到着することが出来たのでありました（勝った！）。 　ついに探し当てた「月夜と眼鏡」は、4畳半一間の小さなお店の名前だったのです。 　ここは、月のうち数日しかオープンしないという驚くほど不定期というかマイペースなお店のようで、今日はたまたま「まぼチャン」のイベントのために開放されていたのだそうです（つまり1日限りってことですネ）。 　それにしてもこのお店、下の写真をご覧になれば何となく雰囲気がわかって頂けると思いますが、どことなく昭和時代に置き去りにしてきた自分の部屋に帰って来たような、なんとも懐かしく素朴なムードに溢れていませんか。 　というわけで、この部屋の居心地の良さに味を占め、みかん水という名の昭和っぽい飲み物（素朴なガラス瓶に入った透明な水ですが、昭和のみかんの味がしました）を頂きながら、まぼろし洋品店の田端さんや月夜と眼鏡の実由樹（ミユキ）さんを相手に、長々と話しこんでしまった私（……というか、私が勝手にひとりで語りまくっていたという説もありますが（苦笑））。 　田端さん、実由樹さん、楽しい時間をありがとうございました。 　お店を出たあとは、足の向くまま気の向くままに周辺（日暮里駅から半径1キロ以内のエリア）を散策してみたのですが、谷中って、同じ台東区内でも浅草とは全く違った個性を持つかなりユニーク！な街のようでした（下の写真参照）。 　こうして谷中墓地の周辺を早足に歩き回った春の週末は、どこもかしこも、もったいないほど梅が満開。久しぶりに仕事を忘れ、心にアイロンをかけたような清々しい日曜日でした。 　それでは最後に、（特に誰からも頼まれてはいませんが（笑））本日私が「まぼろし洋品店」でゲットした品々を披露いたしましょう。 　さて、そのようなわけで谷中という新しいエリアを開拓でき、今日はたいへん豊かな気持ちになることが出来ました。やはり、いつもと違う場所を自分の足で歩いてみると、思いがけない発見があるものですネ。 　皆さんも来週の週末は、冬の重いコートを脱ぎ捨てて、軽快な服装で知らない街を探索してみませんか。 　何かとっても楽しいことが、その先の角を曲がったところでアナタを待っているかも知れませんよ♪ 　なお、本日ゲットした福袋の中身のうち、写真のいちばん右側に写っている1枚を「週刊マミ自身」読者のかたにプレゼント（お裾分け）したいと思います。 　TシャツのサイズはXS（上の写真で私が着ているのと同じサイズ）で、平均より少しだけ細めの女性向きです。 　色はクリーム。半袖。お鍋やポットのイラストが並んだシンプルなデザインです。 　プレゼントご希望の方は、件名に「お裾分けプレゼント希望」と明記の上、�@ハンドルネーム、�Aご本名、�Bご住所をお書きになって、3月17日（締め切り）までにメールで mami@yamadas.jp までご応募ください。 　明日から始まる1週間が、皆さまにとって素敵なものでありますように。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年3月12日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年3月5日号(第209号) 「理解」は、ある日突然やって来る 　突然ですが、皆さんは昨日までどうしてもわからなかったことが、ある日突然、それこそ目の前からウロコが落ちるように「急にわかるようになった」ことはありませんか。 　昨日までは、どんなに頭をひねって考えても、逆立ちしてもわからなかったことが、あるとき一瞬にして理解できてしまった。そういう経験はありませんか。 　目の前からぽろりとウロコが落ちるタイミングは、歩き慣れたいつもの道を歩いているときかも知れませんし、あるいは花壇の緑に水をやっているとき、食事をしている最中、入浴中、睡眠から覚めた直後、あるいは夢の中かも知れません。 　 　状況はどうあれ、「わかった！」という状態が一瞬にして訪れるのです。古典的なマンガでいうと、主人公の頭の真上で急に電球がパッと燈る、まさにあの感じ。 　思えば私はこれまでの人生のなかで、「ある日突然わかるようになる」という経験を何度となく繰り返してきました。 　そして、その傾向がいちばん顕著に表われたのは、英語をはじめとする外国語の勉強をしているときでした。 　例えば、中学校で初めて英語を習い始めたばかりの最初の何週間か、私は三人称単数現在の動詞の末尾にSを付けるという英語の文法に、なかなか馴染むことが出来ませんでした。 　もちろん頭では理解しているのですが、なかなか身につかないのです。 　それまで日本語だけで育ってきた人間には、英語の構造そのものに、何か強烈な違和感があったのでしょうネ。 　三人称単数現在に限らず、最初のうちは英文法全般になかなか馴染めませんでした。 　あまりに頭に入ってこないので、しまいには「私って真性のバカなんじゃないかしら」と思い、少々落ち込んだほどです。 　例えばトゲが刺さったり異物が入ってきたりすると、からだは反射的にトゲや異物を排斥しようとしますよね。 　今思えば、あのときは初めて入って来た英語という異物を排斥しようと、私の脳が拒絶反応を示したのかも知れません。 　ところが、そんな具合で「英語」という新しい言葉と格闘していたある朝のこと。 　驚いたことに、その朝目覚めてみると、昨日までわからなかったことがすべて一瞬にして理解できるようになっていたのです。そう。すべて一瞬にして、です。 　あのときの気分と言ったら、昨日までずっとたちこめていた濃霧が一気に晴れ上がったような、目隠しをいきなり外されたような、それはもう最高に爽快な気分でした。 　それどころか、 「こんな簡単なことがどうして理解できなかったの？　昨日までの私は、どうかしていたわ」 と、つい数時間前に眠りにつく前の自分のことが、まるで他人事のように思えたのですから、人間とは全くおかしなものです（苦笑）。 　おそらく私はあのとき、セミをはじめとする昆虫たちが殻を脱ぎ捨てるように、古い殻を脱ぎ捨てて、確かに一回り大きな自分に生まれ変わったのでしょう。 　英語に関して言えば、これと類似した体験を段階的に幾度も繰り返し（つまり何度も脱皮を繰り返し）、気がついたとき、私は国際会議で自由に発言できるだけのバイリンガルに成長していたのでした。 　ここで私が言いたいのは、成長というものは往々にして階段状であって、なだらかなスロープ（坂道）ではないということです。 　このことは自分自身の体験だけでなく、多くの人に共通して見られる現象のように思います。 　そして、「成長は階段状である」ということを知っているかいないかで、人生は大きく変わってくると思うのです。 　万が一、成長というものがなだらかなスロープ状だったならば、人はひとつのことをなかなかマスターできない自分を、「私には才能がないんだ」と諦めてしまうことでしょう。 　しかし成長が階段状だとわかっていれば、「今日はダメでも、明日は階段を登れるかも知れない」と希望を持ち、遠い将来を見据えて頑張り続けることが出来ますから、ね。 　もちろん、その際に大切なのは絶対に途中でやめないこと。自分を信じ、どこまでも継続することが何よりも大切であることは言うまでもありませんが。 　実は、これはつい昨日のことですが、久しぶりにこの「急に何かがわかる」という感覚を味わえる出来事がありました。 　昨日はお茶のお稽古の日。私はそこで、これまでに既に何十回も繰り返してきたお点前を復習していました。 　もちろん、同じお点前を繰り返して学ぶとは言え、「一期一会」の言葉どおり、この世では全く同じことが二度起こることはあり得ません。1回1回のお点前は、形式こそ同じに見えても、実際には毎回どこかが違っているわけです。 　しかし、そういう本質論は別として、毎回のお稽古では、形としては同じお点前を何度も繰り返し勉強するのです。 　ところで、昨日のお点前は、最初からいつもと何かが少し違っていました。 　お点前の作法のなかには「袱紗捌き（ふくさ・さばき）」といって、袱紗（一辺が27〜29cmほどの、ほぼ正方形の絹の布）を取り扱うさまざまな作法があるのですが、昨日は、袱紗の端と端を持って引っ張ってパチンと鳴らす所作をしたところ、これまで一度も出せなかった澄んだ「パシッ」という音が、驚くほど気持ちよく出せたのです。 　（おやっ？）と思いながらも、そのまま黙ってお点前を続けたのですが、驚いたことに、これまでなら頭のなかで「次は茶筅（ちゃせん）通し」、「次は芝手水（しばちょうず）」などと段取りを考えていないとお点前の手順を間違えていた私が、何故か昨日は何も考えないのに体が勝手に動いたのです。 　「何も考えない無心の状態になれた」と言い換えても良いかも知れません。 　それはまさに、お点前が「身についてきた」ことを実感できた瞬間でした。 　と同時に私は、これまでの自分が、いかに茶道というものを「頭で」考えようとしてきたかにも気づいたのです。頭で考えることをやめた瞬間、逆に、茶の湯というものがハッキリ見えた感じでした。 　それで思い出すのは、私が「心の師」と仰ぐ故ブルース・リーが遺した次の言葉です。 “Don't think. Feel!”（頭で考えるな。感じろ） 　これは、映画『燃えよドラゴン』のなかでブルース・リーが口にする有名な台詞ですが、この短い言葉には、私たちが何か物事の真髄を極めようとするときに必要な、最も大切な教えが簡潔に述べられているように思います。 　これとは別に、かつて三味線の師匠である藤原睦子先生が、慣れない三味線と格闘している私に向かってこうおっしゃったことがありました。 「頭で考えようとせず、原始人のように勘で弾いてご覧なさい」。 　この言葉の深さ。無心で何かに没頭することの大切さ。そのことを改めて感じた昨日でした。 　皆さんは、最近何かに「無心」で「没頭」していますか。 　ではでは♪ ★逆バースデー・プレゼント当選者の発表★ 　先週号でお知らせいたしました逆バースデー・プレゼントには、突然の告知であったにもかかわらずたくさんのご応募をいただきまして、本当にありがとうございました。どのメールも印象的な内容のもの揃いでしたが、今回はそのなかでも最高に感動的（！）なメッセージをくださったribu様に、初春らしい「桜」がテーマのプレゼントを差し上げます。プレゼントは一両日中に発送いたします。楽しみにお待ちください。 　 　事事如意 　　　　　2006年3月5日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年2月26日号(第208号) 簡単な英単語でファンタジーを編む 　理由あって、先週は毎日のように英作文をしていました。 　英作文。そう、English compositionです。 　きっかけは先週18日付の The Japan Times の記事でした。あの記事をご覧になった読者のなかに、英語雑誌の編集長さんや教育関係者などがいらっしゃいまして、そういう方々から、いくつか執筆依頼が舞い込んだというわけです。 　そんなわけでこの1週間は、毎日のように英作文ばかりしておりました。 　現在執筆中の本（初夏に発売予定）も全編100％英語のSFファンタジーですから、このところ私が日本語を書く機会と言ったら、日記を付けるときと、ウェブサイト上の「夢日記」や「週刊マミ自身」を更新するときぐらいで、あとはほとんど英語漬けの毎日です。 　今回のSFファンタジーは、「日本の平均的な中学生が3年間で習う948単語だけで読める」という大きなテーマを設けて書いておりますので、当然、使えるボキャブラリーは極端に限られています。 　例えば、バカ（fool, stupid）、怒った（angry）、戦う（fight）、喧嘩（quarrel）、醜い（ugly）、狂った（crazy）、頭の良い（intelligent, clever, wise）、オタク（geek）といった子どもの世界で頻繁に使われる言葉の多くが、日本の中学生の間で最も広く使われている教科書では教えられていません。 　いわゆる「教育的配慮」なのでしょうが、こんな当たり前の単語も知らないで、一体どうやって実践での会話をしろと言うのでしょうネ？ 　このほかにも、 教科書（textbook）、消しゴム（eraser）、カレンダー（calendar）、日記（diary）など中学生の必需品の名称や、耳（ear）、鼻（nose）、首（neck）、脚（leg）、尻尾（tail）といった3歳児でも知っているであろう単語さえも、何故か中1〜中3までの教科書では教えられていないのですからビックリです。 　たった948単語だけで、どこまで感情表現や複雑なストーリーを表現できるのか。これは作家である私にとって、非常に大きな挑戦であると言えます。 　ですから今回の執筆のポイントは、難しい単語を使わず、代わりに簡単な単語を組み合わせることによっていかに深い描写が出来るか。このことに尽きますね。 　一例を挙げれば、子ども達が日常的に口にする「むかつく・うんざりする」という言葉。 　ごく普通に訳せば“disgust”という単語がそれに該当するわけですが、この単語は、948語の中には当然含まれていません。 　そこで、中学生が知っている単語だけを組み合わせて、“be disgusted ”とほぼ似たような意味の“be sick of”という言葉に置き換えるわけです。 “I'm really sick of it!”（訳：マジでムカつくよ！） という具合に。 　全編がこの調子ですから、書き手としては結構タイヘンなんですけどネ（苦笑）。 　でもそれだけに今回の執筆は、私の人生で培ってきた英語能力と作家としての想像力が全面的に問われることになるでしょう。頑張ります。 　ところで、英語の話をしていて急に思い出しましたが、先日こんなことがありました。 　それは、私がほんのちょっと書斎を離れた短い時間の出来事です。 　うちのイタズラな犬たち（↓下の写真参照）が、何を思ったか私の机に飛び乗り、パソコンの上を走りまわったうえ、「ここ掘れワンワン」のポチのようにキーボードを爪でバリバリと引っ掻いてしまったのです。 　その結果、キーボードの左端のほうにある「Aち」のキーが見事に大破。 　「Aち」は非常によく使われるキーですから、パソコンは使い物にならなくなって、ただちに工場行きとなってしまいました（涙）。 　キーボードを全部取り替えてもらって2週間後には戻ってきましたが、その間パソコンが使えないのは死ぬほど不便なことでした。 　しかし、です。 　この事件に遭遇したことによって、私は今回、棚ボタでたいへん面白い事実を発見したのですよ。 　それは、たとえ「Aち」のキーが使えなくても英語で「数」を書く際に支障はないという事実でした。 　皆さんも、0から10までの数字を英語でイメージしてみてください。 　Zero, one, two, three, four, five, six, seven, eight, nine, tenとなり、アルファベットの「a」は一度も使われていないことがわかります。 　続いて11から20までを調べても、eleven, twelve, thirteen, fourteen, fifteen, sixteen, seventeen, eighteen, nineteen, twenty……。やはりここにも「a」は登場しません。 　気になったので、このあとずっと数を思い浮かべて見ましたが、０（zero）から999（nine hundred ninety nine）までのあいだに、アルファベットの「a」は遂に一度も登場せず。 　ようやく初めて「a」が出てくるのは、なんと1,000（one thousand）なのでした。 　ごく一般的に言えば「Aち」はかなり頻繁に使われるキーですが、どうやら英語の「数」に関しては例外らしいのです。 　どうでもいい雑学ではありますが、でもコレって面白い発見だと思いません？ 　私としては、“The scales fell from my eyes.”（目からウロコが落ちた）と申しますか、中学生英語で易しく言うと“I saw the light.”という感じでした。 　……これから当分のあいだ、私の頭は普段から英語で物を考える比率がグンと高くなると思います。 　そのため、このページでも英語の話題がこれからは増えていくことと思いますが、皆さん、なにとぞ御容赦くださいマセ（笑）。 　ではでは♪ ★おしらせ★ 　明日2月27日は、山田真美の誕生日です。そこで昨年同様、今年も1名の方に「逆バースデー・プレゼント」を差し上げたいと思います。プレゼントをご希望の方は、今から2月27日24：00（つまり2月28日になる瞬間）までの間に、mami@yamadas.jp 宛てに誕生日のメッセージをお寄せください。その際、ハンドルネーム、ご本名、ご住所と電話番号（プレゼントの発送に必要です）のご記入もお忘れなく。最も感動的・印象的なメッセージをくださった方に、逆バースデー・プレゼントを差し上げます。プレゼントの発送は3月上旬を予定。当選者の発表は次号の「週刊マミ自身」で行ないます。奮ってご応募ください。 　事事如意 　　　　　2006年2月26日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年2月18日号(第207号) インフルエンザA香港型でダウン中 （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　……というわけで、珍しく寝込んでおります。 　水曜日は講演会がありまして、「ベストセラー作家が語る、みんなが知らないインドの裏事情」というテーマで2時間ほどインドのお話をし、そのあと主催者や聴講に来てくださった方々とお食事会に行き、ここまでは完全に元気だったのですよ。 　ところが翌朝起きてみると、喉がヒリヒリ。この段階ではまだ（風邪をひいたのかしら？）程度に軽く考えていたのですが、午後からは全身の関節痛と倦怠感に襲われはじめ、夜からは妙にからだが熱い感じ。 　その夜はほとんど眠れぬままに過ごし、翌朝（徒歩で）近所の病院へ行ったときには、既に40度近い高熱です。検査をしてもらったところ、ただの風邪ではなくインフルエンザA香港型との診断でした。 　先生からは、「山田さんは高熱に強いですねえ」と驚かれてしまいましたが、確かに私は昔から高熱に強い体質で、39度台の熱があっても、そのことに気づかぬまま普通に仕事などしてしまうのです。 　以前インドでデング熱にかかったときも、40度近い熱が数日続いていたにもかかわらず、体温計で測ってみるまで（微熱があるかも？）ぐらいに軽く考えていたぐらいですから。デング熱は、そのまま放置すると命に関わる怖い病気ですから、あのときは一刻も早く入院・絶対安静にしなくてはいけなかったんですよね。 　「強い」ということも、時と場合によっては困ったものです。 　さて、今日（18日）の The Japan Times に、次のような記事が掲載されました。 http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fl20060218vk.html 　易しい英語で書かれていますので、頭の体操がわりにご高覧ください。 　内容的には多少の間違いがありますが（例：この次に出版予定のSFファンタジーのタイトル名が、何故か『3歳までに英語の種をまきなさい』になっていたり、明治学院が明治学園だったり、数字の間違いもちらほら）、全体としては、たいへん好意的に書いていただいています。 　この記事にも書かれているとおり、私の次作は英語のSFファンタジーを予定しております。日本の平均的な中学3年生が辞書なしで読めるレベルの英語で書き下ろしています。 　ワーカホリック（仕事中毒人間）な私としては、 「早くインフルエンザを治して原稿が書きたい」 という気持ちで一杯なのですが、今は数種類の薬（かの有名なタミフルのほか、咳止め、熱さまし等）を飲んでいるため、一日中、頭がボーッとしております。特に咳止め薬には催眠効果があるらしく、これを飲むと眠い眠い（苦笑）。 　この週末は観念してゆっくり休養をとり、月曜日からは完全復帰して仕事に燃えますよ〜。 　皆さまも、くれぐれもインフルエンザにはお気をつけください。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年2月18日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年2月12日号(第206号) ヒルズとゴディバと恵比寿ビール （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　東京アメリカンクラブで2週間にわたって開催いたしました夫の個展が、本日、無事に終了いたしました。 　2週間の会期中は大勢のお客さまにご来場いただき、本当にありがとうございました。お蔭さまで、とても楽しい毎日を過ごすことが出来ました。 　今回ギャラリーを使わせていただいた東京アメリカンクラブは、東京タワーから徒歩1分、六本木ヒルズから徒歩15分ほどのところ（住所は港区麻布台）。 　この辺りを歩くと妙に懐かしいような気持ちに襲われる私なのですが、それもそのはずで、学生時代に4年間通った大学のキャンパスは港区白金台、4年間暮らしたアパートは港区高輪、2年間アルバイトをしていた劇団のある場所は港区六本木だったのですから、東京都港区というところは、個人的には非常に懐かしい場所なのです。 　のみならず現在通っているお茶のお教室も、先生のお引越しに伴って昨年から港区高輪になりましたしネ。これまた不思議なご縁です。 　さらに、この4月には港区国際交流協会（会長は兼高かおるさん）が主催する「日本再発見の会」で、英語による講演会をさせていただく予定にもなっておりまして、そんなこんなで、このところ港区とのご縁が深まってきた感じ。 　そのように色々とご縁のある港区での、今回の個展開催だったわけです。 　さて先週は、ほぼ毎日のように個展会場に顔を出す忙しい合間を縫って、いくつかのイベントにも参加してきました。 　まず、長いこと表参道の名物だった「同潤会青山アパート」の跡地についに完成した表参道ヒルズのオープン直前内覧会に招待され、お友達で女優の蜷川有紀さんと一緒に出かけて参りました。 　「ヒルズ」という名前から、六本木ヒルズのような巨大高層ビルを漠然と想像していましたが、実際に行っていれば、表参道ヒルズはサイズも小ぶりで、周囲の景観にしっくり溶け込んだ自然な佇まい。 　またショッピングアーケードの中も、上の写真でおわかりのとおり「どこからでも一目で全体が見渡せる」わかりやすい構造になっていますから、方向音痴な私でも、これなら道に迷わずに済みそう。同じく方向音痴な有紀さんと顔を見合わせて、「ここ、なかなかイイじゃない？」と頷き合ったのでした。 （ちなみに六本木ヒルズの場合は、用事があって行くたびに、未だに必ず建物の中で道に迷っているhopelessな私です） 　表参道という街が私は大好きなのですが、この街の特色は建物が低く、オシャレ感度は高く、一歩裏道に入ればそこは静かな住宅街。ヨーロッパの裏街的な風情を漂わせた独特の雰囲気を持っていること。 　それから、（隣接する渋谷と違って）オトナがひとりでフラッと遊びに行けること。 　最近になって東京メトロ表参道駅に表参道エチカも完成しましたが、これからも従来の独特のスタンスというか雰囲気をキープしたまま発展して欲しい街です。 　さて、表参道へ行ったその翌日は、娘のLiAとふたりでＪＲ恵比寿駅のアトレ（駅ビル）にあるGODIVAのショップへ。 　実はですネ、娘が夏休みで長期一時帰国しているあいだに一緒にGODIVAへ行こうという話は、約4ヶ月も前から計画していたことなのでした（我ながら気の長い話です）。 　その目的とはズバリ、GODIVAの特別メニューを飲んでみるため。 　GODIVAと言えば、一粒300円もする高級チョコを作っているベルギーのメーカーとして有名ですが、実は、日本各地にあるGODIVAショップのなかの限られた店舗だけで販売している商品に、ショコリキサーというチョコレートドリンクがあるのです。 　軽いチョコ中毒患者（笑）である娘と私は、ショコリキサーを飲むために、個展開催中の忙しーい時期だというのに、わざわざ恵比寿まで足を伸ばしたのでした。 　こうして夢が叶い、無事にショコリキサーを最後の1滴まで堪能し尽くしたふたりでしたが、飲み終えて4ヵ月越しの欲望を満たしたかと思いきや、すぐに （折角ここまで来たのに、このまま速攻で帰ってしまうのも勿体ないかも？） ということで即座に意見が一致。その足で、アトレと隣接する恵比寿ガーデンプレイスの中にある恵比寿麦酒記念館へと場所を移したのでした。 　恵比寿麦酒記念館は、国産ビールの歴史やサイエンスを学べる小さな博物館のようなところですが、いちばん奥にはビールやワインを試飲できる広いコーナーがありまして、ビールが200円〜、ワインが300円〜（しかも天然酵母入りおかき付き）、おつまみのチーズ100円と激安なのです。しかも雰囲気も悪くないし。 　あ、私には関係ありませんが、お酒がダメなかた用には、紙パックのオレンジジュースなどソフトドリンク（100円）も置いてあります。 　ここはガーデンプレースのなかでも少々わかりづらい場所にあり、まさに知る人ぞ知るスポットですから、いつ行っても満席だった試しがありません。手紙や日記を書いたり、読書をしたいときに最適な場所で、私はここを究極の隠れ家としてしばしば使っているのです。 　今回はここで娘と仕事の打ち合わせをしました。 　仕事の打ち合わせも、会議室ではなくこういう面白い場所で行なったほうが、私の場合は圧倒的にスムーズかつスピーディーに運びます。やはり、生真面目すぎるより少し遊び心があるほうが頭の回転も良くなるということなのでしょう。 　先週はこんな感じで文字どおり忙中閑ありの1週間でしたが、これ以外にも、目下英語で書き下ろしている本のことで、ジャパン・タイムズから取材を受けました。取材してくださったのは、ベテラン・コラムニストのヴィヴィアン・ケンリックさんです。 　ケンリックさんは、今から11年前にも私の仕事を“Personality Profile”と題した人物紹介コラムに書いてくださったことがあり、取り上げていただくのは今回が2度目。どんな記事に仕上げてくださるのか、今から楽しみです。 　もちろん、作品のほうは着々と書き進めていますよ。英語作品第一弾は、今の予定だと初夏にはお届けできそうです。 　今回の作品は、ごく普通の日本の中学3年生でも辞書なしで読める、すべて英語だけの本に仕上げますので、楽しみにお待ちください。 　というわけで、明日からは普段の生活に戻ります。 　ではでは♪ 　 　事事如意 　　　　　2006年2月12日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年2月4日号(第205号) ただいま“画家の妻”モード （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　　1週間ほど前から始まった夫の個展＠東京アメリカンクラブが今日も続いておりまして、私も会場のほうへ出向くことが多く、忙しい毎日を送っています。 　そんなわけで今週は「週刊マミ自身」もお休みさせていただこうと思ったのですが、つい今しがたも読者さんから、 「毎週土曜日の夜に〈週刊マミ自身〉をチェックすることがすっかり習慣化し、私にとってこのサイトは週刊と言うよりむしろ〈習慣マミ自身〉という感じです」 という嬉しいお声が届いたばかりですので、せめてものご挨拶代わりになればと思いまして、今日は展覧会場の風景と、個展初日に行なわれたオープニング・パーティーのひとコマだけ、ちょっぴりご披露することにいたしました。 　ちなみに下の写真は、インド大使館のお友達を相手にインドの政治経済について熱く語っているところを撮られたもので、決して左のインド人を叱っているわけではありません（苦笑）。念のため。 　その上は、ダブルTakakoさんとご一緒の一枚。おそらくこれは日本の学校教育の未来などについて語っているときのショットだと思います。ワイン片手のパーティーだというのに、今回はなにやら真剣な顔が多い私なのでした。 　ちなみに土井たか子さんは『ブースケとパンダの英語でスパイ大作戦』からの熱烈読者様でございます（感謝）。 　そんな感じで、あと1週間ほどは会場に通う日々が続きます。 　来週の土曜日は、もう少し色々なことが書けると良いのですが。 　それでは皆さん、素敵な週末を♪ 　事事如意 　　　　　2006年2月4日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年1月31日号(第204号) 女心と年齢詐称 　先週はインド建国記念日を祝うインド大使館での大きなパーティーを皮切りに、なにやらパーティー続きの1週間でした。 　実際、パーティーというのは面白いものでして、出かけた先で親しくなった人から別のパーティーに招待され、そこで出逢った別の人からも新たなパーティーに誘われ、さらにそこでも別の人からパーティーに誘われて……といった具合に次々に友達の輪が広がってゆき、気がつくと、人はいつしかパーティーの無限ループの中に入っているわけです（笑）。 　私が好きなスタイルは、立食形式で、来賓挨拶などの退屈なスピーチがないパーティー。 　逆にいちばん苦手なのは、伝統的なインドのパーティー。なにしろインドのパーティーでは、宗教上の理由から、多くの場合アルコール類が出ないのですよ。左党の私には、それだけでもう死ぬほどツライ。 　砂糖とミルクがどっぷり入った激甘紅茶をガブ飲みしながら、政治経済から世界情勢、果ては自分の家のカレーがいかに美味しいかといったテーマで延々と何時間でも熱弁をふるうことのできるインドのオジサン・オバサンには、とても太刀打ちできません。正直、勘弁して欲しいです（苦笑）。 （但し同じインドのパーティーでも、例えば大使館のようなインターナショナルな場所で開催される場合は、ワインぐらいは出ます。上に挙げた例は、あくまでもインド国内のドメスティックなパーティーの話です。念のため） 　さて、昨日は六本木の東京アメリカンクラブで夫の個展が始まり、昨夜はそのオープニング・パーティーでした。 　会場の都合で、今回は50人ほどの小さなパーティーだったのですが、昔から仲良くしていただいている野沢太三さん（元・法務大臣）ご夫妻、土井たか子さん、島津貴子さんご夫妻、俳優の滝田栄さんご夫妻はじめ、財界、法曹界、マスコミ、各国大使館の皆さんなどなど、大勢のお友達に囲まれてワイン片手に和気藹々のひと時を過ごして参りました。 　カメラマンに撮ってもらったオープニングパーティーの写真が届きましたら、ここにも少しUPしますので、どうぞお楽しみに。 　そんなこんなで忙しく過ぎていった1週間でしたが、気がつけば今日で1月もおしまい。 　つまり、2006年も12分の1は終わり、明日からは早くも2月です。 　2月と言えば、個人的には誕生月。 　子どもの頃から「特別なときに食べるケーキは不二家」と決めているのですが、今年はチョコレートケーキ（もちろんホールサイズ）にしようか、もうちょっと奮発して3段重ねのアニバーサリーケーキにしようかと早くも思案中。 　左党の私は、同時に相当な甘党でもあるのです（普通のカットケーキなら5個ぐらいペロリですから、はい（笑））。 　 　ちなみに私と同じ2月27日生まれの有名人には、スタインベック（作家）とエリザベス・テイラー（女優）とハルウララ（馬）がいますが、この組み合わせを見ただけでも、「誕生日だけで人の運勢を占う」ことがいかに無謀であるか、よくわかりますネ。 　もっとも、2月27日生まれの基本的な特徴である「人のために惜しみなくお金を使うので、お金はまったく貯まらないでしょう」という項目だけは、何となく当たっているような気がしないでもありませんが（苦笑）。 　そうそう、誕生日で思い出しましたが、先日ネットサーフィンをしていて、ちょっとしたハプニングがあったんですよ。 　その日は必要があって、とある芸能情報を調べていたのですが、その途中、まったくの偶然に辿り着いた先が、なんと昔の友達のウェブサイトだったのです。 　「友達」と言っても、もう何十年も逢っていない、当時もさほど親しかったわけではない同級生です。 　詳しく書くと差し障りがありますので、少しボカして書きますが、彼女は子どもの頃の友達で、私と同じ1960年2月生まれ。現在は広い意味での芸能関係の仕事をしていらっしゃいます。 　昔の友達が活躍している姿を見るのは、何とも言えず嬉しいもの。「彼女も頑張ってるんだ」「もっともっと活躍して、その分野で大成して欲しい」と、心のなかで応援しながらウェブサイトの隅々まで眺めていた私。 　ところが、最後のほうにあったプロフィールのページを見た途端、私の目は点になっていました。何故ならば、そこに書いてあった彼女の生年月日は、1965年2月○日となっていたではありませんか。 　え？　もしや彼女、5歳サバ読んでる？？？ 　よく、「芸能人が年齢をサバ読むのはよくあること」と聞きますけれど、それをこの目で実際に目撃したのは今回が初めて。 　「噂どおり、芸能人って年齢をサバ読むのね」ということを、改めて確信した私なのでした。 （注／芸能人は誰でも年齢詐称しているという意味では勿論ありません。私の知る限りそういう人はむしろ少数派だと思いますし、サバを読んだところで、ネットがここまで発達した現代では、同級生あたりから内部告発されてじきにバレバレになりかねませんよネ（笑）） 　1960年生まれを1965年生まれと詐称している友達……。 　きっと彼女にとって、その5歳の差はどうしても必要なものだったのでしょう。 　しかしここで素朴な疑問が頭をもたげます。つまり、このトシになって5歳若くサバ読むことに、一体どれほどの意味があるのかという……。 　例えば23歳を18歳とか、30歳を25歳と偽る場合には、5歳という年齢差には、大きなイメージの違いがあるかも知れません。けれども90歳を85歳と偽わったところで、まあ大差はありませんよネ。 　果たして45歳を40歳と偽ることに、どれほどのイメージの差があるのか（謎）？ 　もっとも、彼女の場合は人生の早い段階から年齢詐称してしまい、今さら後に引けないという事情があるのかも知れませんが……。 　世間に対して5歳サバ読んでいる同級生のウェブサイトに眼を落としながら、 （つまり、たとえ私たちが将来ふたり揃って有名になったとしても、週刊誌の「同級生交歓」とかには出られないってこと？） とか、 （どうせ年齢詐称するなら、もっと気合を入れて10歳とか15歳以上サバ読めば、それはそれで面白かったかも） など、ついつい余計なことを考えてしまった私なのでした。 　と言うか、トシをサバ読むぐらいなら、最初から生年月日を空欄にしておけば良かったのにと思うのは私だけでしょうか（笑）。 　45歳を40歳とサバ読む。それって、同級生の私から見るとちょっとビミョーです。一緒に過ごした学生時代までが遠回しに否定されてしまったみたいで。 「年齢ぐらい堂々としていて欲しかったなぁ。それがダメなら、いっそ45歳を25歳ぐらいに偽って欲しかった（20歳サバ読んでもバレない若さをキープしていたら、それはそれで尊敬します）。でも、きっと彼女には年齢を誤魔化さなくてはならない深い事情があったんだろうし……」 というような複雑な想いを胸に、元同級生のウェブサイトをそっと閉じた私なのでした（合掌）。 　あ。それで急に思い出しましたが、私の知人に、自分の子どもに対して年齢を12歳もサバ読んでいるトンデモナイ母親がいます。 　高齢出産をした彼女は、本当は50歳なのですが、子どもや子どもの友達には38歳で押し通している勇者です（ちなみに彼女は、夫となった男性に対しても、交際期間中はずっと年齢を10歳もサバ読んでいたそうです（爆））。 　今のところ子どもに嘘はバレていないようですが、いずれバレたとき子どものショックは大きいだろうなぁ（夫となった男性も、彼女の本当の年齢を知ったときはかなりショックを受けたそうですから）。まあ、そんなことを赤の他人の私が心配しても仕方ないのですが。 　女の私から見ても、実年齢より若く申告したい女心って本当に不思議です。 　もっとも、このトシになっていまだに不二家のケーキで誕生日を祝っている私のほうがヘンだと言われてしまえばそれまでですけど、ネ。 　でもネ、今は元気に100歳以上まで生きる人だってそれほど珍しくない時代。40、50なんてまだまだ洟垂れ小僧です。どうせ生きるなら、毎年楽しく誕生日を重ねようじゃありませんか。 　というわけで、今年も皆さんからのHappy Birthdayメールをお待ちしていますので、何卒ヨロシクお願いします（笑）。 　ではでは♪ ■講演会のおしらせ■ 　2月15日（水）19：00より恵比寿にて「ベストセラー作家が語る、みんなが知らないインドの裏事情」と題した講演会（主催：MR会）を催します。MRは「元リクルート」の略で、リクルートの元社員またはアルバイト、ビジネスパートナー、ＭｅＲＩＴ会等の分科会に参加する現役リクルート社員のほか、事務局が許可した人にも入会資格があるそうです。当ホームページの読者さんでリクルートと関係のある方は、是非この機会に会員登録をなさって講演を聞きにいらしてくださいネ。MR会の詳細はこちらからご覧になれます。 　http://www.mr-kai.com/2004/index.php 　事事如意 　　　　　2006年1月31日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年1月21日号(第203号) ホットヨーガ開眼 　先週予告したとおり、今週はほぼ連日、どっぷりヨーガ三昧の日々を送っておりました。 　前号の「週刊マミ自身」には、「インド大使館で開講されたヨーガ教室に通うことにしました」と書きましたが、インド大使館を皮切りに、それ以外にもいろいろなヨーガスタジオに行って来ましたよ。 　まず、月曜日は大使館で伝統的なハタヨーガを60分。 　次いで、火曜日は秋葉原の某ヨーガスタジオでホットヨーガを60分。 　木曜日は新宿の某ヨーガスタジオでホットヨーガを90分。 　金曜日は京橋の某ヨーガスタジオでパワーヨーガを60分。 　というわけで、ほぼ毎日のようにヨガっておりました（笑）。 　おかげで今日は筋肉痛です。特に両脚の外側が重症。痛いと言っても、むしろ気持ちのいい痛みなんですけどネ。 　ご存知のように、パワーヨーガやホットヨーガはハリウッドの女優さんなど「セレブ」から絶大なる支持を受け、西洋諸国で大ブームとなったヨーガの新しい形です。 　パワーヨーガは、一般的なヨーガに筋肉増強の要素を加味して、よりパワフルにしたヨーガ。 　ホットヨーガは、室温38〜40℃、湿度60〜65％という高温多湿な環境で行なうヨーガで、多い人は1回のレッスンで2リットルもの汗をかくというほどハードなもの。 　高温多湿の部屋のなかでポーズを取っていると、文字どおり滝のような汗が流れてくるのですが、これが本当に天にも昇るような気持ち良さなのですよ。 　そんなこんなで、早速ホットヨーガの虜になってしまいました。 　レッスンそのものは結構キツイのですが、大量発汗することで、カラダから余計な水分や毒素が排出されてゆく快感が半端じゃありません（痩身・デトックス効果抜群かも）。 　また、室温が高い分だけ筋肉が伸びやすいので、常温で行なうヨーガに比べ、ホットヨーガのほうが怪我をしにくいという報告もあるそうです。 　そんなわけで、これから暫くホットヨーガのスタジオに通ってみることにしました。 　レッスンの邪魔にならないよう、昨日は髪もバッサリ切っちゃいました。久々のショートヘア、なんだかやる気が出てきます。 　来週も、さらに3軒のホットヨーガ・スタジオ（2軒は女性専用、1軒は男女混合）に行ってみる予定です。そのなかで自分にいちばん合った店を選び、定期的に通おうと思っています。 　ここでヨーガの基本について一言。 　ヨーガの語源は、「結合させる／結ぶ」を意味する「yuj（ユッジュ）」というサンスクリット語です。 　つまりヨーガとは、神と人間とを結び、精神と肉体とを結び、完全なる存在をめざすこと。 　最近の風潮として、ヨーガといえばいろいろなポーズ（アーサナ）を取ったり、呼吸法（プラーナーヤーマ）を行なう「美容と健康のための体操」というイメージが強いのですが、このタイプのヨーガは「ハタヨーガ」と呼ばれ、ヨーガ全体のなかの一部に過ぎません。 　古くからのヨーガには全部で72種類の流派があると言われ、ハタヨーガはそのうちの1つです。 （ちなみにインドでは古来9が聖数とされてきたことから、その倍数である72も聖数と考えられます） 　これら72種類のヨーガのうち、代表的なものにはバクティヨーガ（おもに信仰＝神への絶対帰依を通して人間性を高めてゆくヨーガ）、ラージャヨーガ（おもに座禅と瞑想を通じて人間性を高めてゆくヨーガ）、マントラヨーガ（おもにマントラ＝真言を唱えることで人間性を高めてゆくヨーガ）などがあります。 　つまり一言で「ヨーガ」と言っても、その具体的な方法は信仰であったり、瞑想であったり、真言を唱えることであったり、あるいは肉体を鍛錬する体操や呼吸法であったりと千差万別なのです。 　そして、それら全てのヨーガに共通することは、世俗的な執着を離れ、少しずつ悟りの境地へと近づいてゆくための人生のあり方であり、方法論であると言えるかも知れません。 　さて、ホットヨーガを通じて、私は私自身をどこまで変えることが出来るでしょう。今年は、精神と肉体の両側から徹底的に自分を変えてみようと思っています。英語で本を執筆すると同時に、肉体も鍛えなくちゃ、ネ。 　というわけで自分改造計画。この春は思いっきりホットに行きます。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年1月21日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年1月15日号(第202号) 三度目の正直のヨーガ （写真つきオリジナルバージョンはここからご覧になれます） 　各地で大雪、そして大雨と、ただならぬ天候が続いている日本列島ですが、皆さんお元気でお過ごしでしょうか。 　さて、今年の私が「時間を大切に」という、まるで小学生のような目標を掲げていることは前号にも書きましたが、幸いにもその目標は三日坊主に終わることなく、今のところかなり規則正しく、自分自身の計画に沿った毎日を過ごせております。 　最近の私は、毎朝サンスクリット語で「般若心経」を暗誦し、そのあとスペイン語とチベット語を復習することを日課にしているのですが、このうちの「般若心経」のほうは、実はこれから書こうとしているミステリー小説に関係があります。 　詳しく書くとネタバレになってしまうので（笑）自粛しますが、これから当分のあいだは、こんな感じの毎日が続くことでしょう。 　それからもうひとつ、今週から新たにヨーガ教室へ通うことになりました。 　実は私、大学に通っていた1970年代に一度ヨーガにハマり、次いで1990年代にも再びインドでヨーガにハマりましたから、今回が人生で3度目のヨーガへの挑戦ということになります。 　生まれつき割と身体が柔らかいほうなので、いったん解（ほぐ）れてしまえばグニャグニャになるかも……とも思うのですが、何年もお休みしていたものを再開するのですから、まずは基本ポーズと呼吸法から地道におさらいして行きたいと思います。 　さて、このたび私がヨーガを習うことになった教室の場所は、皇居のお隣にある駐日インド大使館。 　そうです。皆さんがビザを取りに行ったりするときに立ち寄る、あの大使館でございますよ。 　つまり、このたびのヨーガ教室は、正真正銘のインド政府直営なのです。 　そういう意味では、日本に数あるヨーガ教室のなかでも、まさに真打登場と呼んで過言ではないのでは？ 　先週はヨーガクラスのオープニングパーティーが行なわれ、日頃からインドにゆかりのある人々が大使館に集まって、無事に点灯式（物事を始める際にランプに火を入れるインド古来の儀式）を済ませて参りました。 　そして―ここからが今日の耳寄り情報（笑）なのですが―、このクラス、なんとビックリ受講料は無料なのですよ。さすがはインド政府、太っ腹でしょう？　ご興味がありましたら、皆さんも参加なさいませんか？ 　詳しいお問い合わせ／お申し込みは電話 03-3262-2391 またはファックス 03-3234-4866 で、インド大使館までどうぞ。 　ファックスの場合は、冒頭に大きくREGARDING YOGA CLASS（ヨーガクラスについて）、または、APPLICATION FOR YOGA CLASS（ヨーガクラス申し込み）とお書きになれば、あとは日本語で用件をお書きになっても大丈夫だと思います。 　で、レッスンに備え、昨日は新宿のスポーツ用品店に出向いて新しいヨーガマットを購入してきました。 　ヨーガ用品はネットショッピングでいくらでも購入可能ですが、「手にとって確かめないと安心できない」という昔気質の人（つまり私のような人のことです（笑））は、店頭で実際に肌触りなどを確認しながら品物を選びたいわけですよ。 　ヨーガ用品を「店頭に」並べているところは、東京都内でもあまり多くないように思いますが、私が利用した丸井フィールド新宿本店（電話03-3354-0101）というお店は、マットはもちろんのこと、カラフルでオシャレなウェア類も充実していて、見ているだけでも目の保養になりました。 　気に入ったヨーガマットもゲットし、明日は早くも第1回目のレッスンです。 　久々のヨーガで無理なポーズをとって筋肉痛なんてことにならないと良いのですが･･････どうなりますことやら。気になるその結果は、次号に続く（たぶん）。 　ではでは♪ 　事事如意 　　　　　2006年1月15日 　　　　　　　　　　　山田 真美 2006年1月8日号(第201号) 時の流れのなかの2点間の長さ 　遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。 　いやはや、それにしても、この冬の雪の降り方はただただ「凄まじい」の一語に尽きますね。かく言う私も、この年末年始は信州の山小屋に戻り、大雪を相手に格闘してまいりました。 　なにしろ山小屋のある場所は、除雪車も来ない人里離れた山の中。200センチを超す雪が降り積もり、人間は当然すっぽり雪の中。 　そのうえ、こんなときに限って頼みの綱の自家用雪上車が故障中とは、笑っちゃうしかありません。 　というわけで今年はお正月早々、山裾から山小屋までの道のりを雪山登山するハメに陥ってしまいました。 　しかも、道を歩くあいだにも風雪は刻一刻とその激しさを増してゆき、普段から絶望的な方向音痴である私は、吹雪の中で方向感覚を失って、ついには迷子に。自分の家へ入る小道にさえ気づかずそのまま歩き続け、気がついたときには、あろうことか隣の山を登っていたのでありました（唖然）。 　自分の家がわからなくなるとは情けない話ですが、冬眠中のクマを踏まなかったことが不幸中の幸いと言えば言えるかも知れませんネ（苦笑）。 　……とまあこんな具合で、2006年は幕開け早々から波乱万丈の予感が。しかし、そのあと東京に戻ってから浅草寺で引いたおみくじは大吉でしたから、とりあえずホッ。今年もなんだか面白い年になりそうです。 　ところで今年の私のお正月は、いつもとは少し違っていましたよ。違いの秘訣は、元旦の時間の使い方にありました。 　これまでの私の元旦の過ごし方と言えば、家族と共に前夜から長野市内の実家に泊まる　→　元旦は、合流した弟一家を交えてお酒を少しだけ飲み、お節を食べて談笑　→　午後からは新春恒例の麻雀大会　→　そうこうしているうちに夕方になり、再びお酒を飲みながらテレビの画面など眺めるともなく眺めているうちに気がつけば1日が終了。 　……という、非常にありがちなパターン、ほとんどルーティン・ワークと化しておりました。 　でも、どちらかと言うと、本来の私はそういうダラダラした時間の過ごし方が嫌いなのです。 　なにしろ、バカンス目的で南の島に行っても、すぐに面白いものを発見して速攻で取材を開始したり、パソコンを広げて仕事を始めたくなってしまい、プールサイドでカクテル片手にのんびりなんてことは絶対に出来ない人間ですから（苦笑）。 　そんな私ですので、1月1日がビシッと決まらないと、何だか損をしたような気がしてしまうのです。これはもう性分ですから、どうしようもありません。 　そこで今回は12月が終わる前から、 「元旦は夕方から原稿を書きます。遊びには誘わないでください」 と周囲にも触れ回っておき、当日は麻雀大会も半チャンで切り上げて、夕方からは静かにミステリー小説のプロットを練っておりました。 　というわけで、今年の目標は「時間を大切にする」。 　こう書くとまるで小学生みたいですが（笑）、大人になってからも、いいえ、色々なことに慣れてしまった大人だからこそ、初心に戻って目標を具体的に立てることがとても大切だと思うんです。そうしないと、大人は「馴れ合い」のなかで、マンネリ化した日々をズルズルと過ごしてしまう危険が大ですから。 　元旦から目標を無事クリアしたせいか、お蔭さまで今年のお正月は、例年に比べてずっと引き締まった気持ちで過ごすことが出来ました。 　そう言えば「時間」という言葉は、日本語としては新しいということをご存知ですか。 　昔の日本では、「時」とか「刻」とは言っても、「時間」という言い方はしませんでした。「時間」という日本語が生まれたのは、英語が日本に入ってきたあとのこと。“Time”の訳語として造られたのが、すなわち「時間」という単語だったそうです。 　「時間」とは、時の流れのなかの2点間の長さのこと（『広辞苑』参照）。 　つまり、「時間を大切に」の本当の意味は、時の流れのなかに「スタート点」と「ゴール点」を明確に設け、その2点のあいだを大切に使いなさいということでしょう。 　伝えられるところによれば、かのエジソンの睡眠時間は平均4時間、アインシュタインは12時間だったとか。時間の使い方はまさに十人十色ですが、それぞれの生活のなかで、私たちもメリハリのある毎日を送りたいものですね。 　「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず」という先人の言葉どおり、人生は案外と短いものですから。 　私は私なりのやり方で、時間を大切に、そして、しっかりと結果を出していこうと思います。 　今年も楽しく有意義でスリリングな12ヶ月にしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします♪ ＊追記＊ 　上の文章のなかで冬眠中の「クマ」について書いていて急に思い出したのですが、私が子どもだった頃、叔母から次のような歌を教えてもらったことがあります。 「ムこうの山に月が出た。ヒ（日）が出た、ヒが出た、4つ出た」 　「4つ出た」というところは、歌いながら点を4つ「、、、、」と打ちます。つまり「熊＝ム＋月＋ヒ＋ヒ＋、、、、」というわけです。この歌のお蔭で私は「熊」という漢字の形を覚えたのですが、これって果たして全国的な漢字の覚え方なのでしょうか？　それとも信州限定？　あるいは昭和20年代生まれの叔母さん限定（笑）？　ずっと気になっていますので、「私もその覚え方を聞いたことがある！」という方がいらっしゃいましたら、是非ともメール（boosuke@badboy.co.jp）でお知らせください。 　事事如意 　　　　　2006年1月8日 　　　　　　　　　　　山田 真美